リーダーシップ

2025.10.10 13:00

リーダーはどこまで本音で語るべきか? 「率直さの戦略的活用」で信頼を獲得する方法

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リーダーシップスキルとしての真正性を再定義する

真正性は、個人的な特性ではなく、リーダーとしてのスキルとみなすべきだ。スキルの活用には判断力が必要だ。つまり、状況に応じて適用されるべきであって、四六時中使うものではない。こうした観点に立てばリーダーは、「本物」か「演技」か、という偽りの選択肢から解放される。「本物」と「意図」は両立できるのだ。

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考え方を変えるためにまずは、人がリーダーに求めることを再定義しよう。人はリーダーに対し完璧な自信ではなく、一貫性を求めている。親しみやすく、なおかつ信頼できるリーダーを望んでいる。戦略的な真正性を発揮すれば、この2つのニーズを両立できる。

リーダーはこのスキルを磨くために、次に挙げる3つの質問を定期的に問いかけよう。

・自分が共有しようとしている情報は、自分の価値観と一致しているか。
・共有すれば、チームはより効果的に行動できるようになるか。
・今は、共有すべき適切なタイミングか。

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この3つの問いかけに対する答えがすべて「イエス」であれば、真正性を発揮することで信頼が構築されるだろう。そうでないなら、建設的に伝えられるようになるまで、発言を控えるのが得策かもしれない。

最後にもう一つ。真正な自分でいたいからといって、すべてを口にする必要はない。大事なのは、言うべきことを、他人を力づけるようなかたちで伝えることだ。適切に判断した上でこのスキルを活用すれば、強力なリーダーシップツールになる。むやみやたらに真正性を打ち出すのは、逆効果だ。

成功するリーダーとは、安定感を失うことなく人間らしさを示せる人間だ。本物だが、未熟ではない。真正でありつつ意図的――このバランスこそが、真正性を確かなものにするのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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