2つのシンプルな教え
ボディランゲージ、ジェスチャー、声といった主要要素に関する助言は山ほどあるが、それらはすべて「こんにちは」と口を開いた後の話だ。ここではグラッドウェルの言う「最初の2秒」――最初の無言の2つの瞬間――に焦点を当て、それを2つのシンプルな解決策で最適化する方法を考えたい。1つは母親の教え、もう1つはプレゼンテーション術の大御所で『人を動かす』（How to Win Friends and Influence People）の著者、デール・カーネギーの教えである。
まっすぐに相手の目を見ること
カーネギーは著書の中でこう述べている。「ちょうど良いタイミングの笑顔、握手の温かさ、まっすぐに相手の目を見ること――これらは何物にも代えがたい」。大勢の聴衆やオンラインの場では握手はできないかもしれないが、笑顔を向け、実際の人々や仮想空間の相手――ウェブカメラ越しの相手――の目をまっすぐ見ることはできる。
座っていても、立っていても、背筋を伸ばしなさい
そしてもちろん、母親の不滅の言葉を忘れてはならない。「座っていても、立っていても、背筋を伸ばしなさい」。
座ってプレゼンする場合は、ウェブカメラに向かうときでも、会議室のテーブルや机越しに対面するときでも、足を床にしっかりつけ、前傾する。この簡単な動作には3つの利点がある。聴衆との距離が縮まること、直立した落ち着いた姿勢が作れること、そして何より（背もたれにもたれて座るときに起こる胸郭の縮みに対し）胸が開き、肺がより多く空気を送り込めるようになって、声量が増すことである。
立ってプレゼンする場合は、両足に体重を均等に乗せ、バランスの取れた落ち着いた姿勢を作る。ジェスチャーをしていないときは腕を身体の両側に下ろす。そうすることで肩が後ろに引かれ、姿勢がまっすぐになる。オンライン会議では、立つことにはもう1つ利点がある。上体が起きて胸が開くだけでなく、立位はその場の佇まいに動的なエネルギーを与えるのだ。
したがって、メッセージを届けるときはいつでも、母親に言われたことを思い出すとよい――「座っていても、立っていても、背筋を伸ばしなさい」。
