2. 環境を利用して悪い習慣を遠ざける
クリアーの本で強調されているもう1つの強力なテクニックは「環境設計」だ。その中心的な考え方は、多くの人は自分の行動が周囲の合図や文脈の影響を大きく受けていることに気づいていない、というものだ。
2020年のシステマティックレビューでは、人が意思決定をする際の環境の小さな変化を含む「選択アーキテクチャ」が、成人の身体活動や座りがちな行動にどのような影響を与えるかを検証した88の研究を調べた。
介入のほとんどは、階段の利用を促す標識やメッセージフレーミング(表現方法や視点の変更)、社会的比較、フィードバックなどのプロンプトを伴うものだった。その結果、これらの介入がある場合、68%の研究で行動にポジティブな効果があったと報告された。だが、介入がなくなるとその効果は低下し、長く続く影響を示した研究は47%にとどまった。
周りの環境を変えることで、正しい行動をデフォルトにできる
これは、習慣を長く続くものにする上で環境がいかに重要かを浮き彫りにしている。周囲の環境が行動をサポートするとき、人は難なく実行に移した。このことは、長続きする習慣には望ましい行動を継続的にサポートするよう自分の環境を設計することが必要だというクリアーの考えを補強している。周りの環境を変えることで、正しい行動をデフォルトにすることができる。
例えば、健康を意識して食生活を変えることが目標なら、それをサポートするためにキッチンの環境を設計し直すことができる。キッチンのカウンターに果物を置く、栄養価の高い食品を避けたい食品よりも手にしやすいようにする、といったことが挙げられる。
同様に、寝る前に読書を増やし端末の使用を減らしたいなら、夜はスマホを別の部屋に置き、ナイトテーブルに本を置く。あなたが注力すべきは「良い習慣」を最も簡単で当然の選択にすることだ。


