1. 新しい習慣を古い習慣とセットにする
新しい習慣を持続的なものにするためのシンプルながら効果的な方法の1つが、クリアーが本で言及している「習慣のセット化」だ。考え方は極めて単純だ。何もないところから習慣を生み出そうとするのではなく、すでに一貫して行っていることに習慣を「重ねる」のだ。
クリアーはこれについて、新しい行動を既存の日課に結びつける具体的な計画を意味する「実行意図」を作ることだと表現している。例えば、朝のコーヒーを注いだら、感謝していることを書き留める習慣をすかさず実践する、仕事用の靴を脱いだらすぐにエクササイズ用のウェアを着る、など。
これがうまくいくのは、最初の習慣が意識しなくてもすでに自動的に行われているからだ。朝のコーヒーをいれる、歯を磨く、仕事用の靴を脱ぐといった動作はすでに習慣として根付いている可能性が高い。そのため、新しい習慣の自然な引き金となる。
既存の日課と結びついている、小さくても一貫性のある行動は非常に強力
2021年の研究では、新しい習慣を日課や特定の時間に結びつけることが習慣の形成にどのような影響を与えるかを調べた。参加者は18〜77歳の成人192人で、毎日行う栄養に関する行動を選んでもらった。
参加者は、その行動をコーヒーをいれるような既存の日課に結びつける、習慣を合図とするグループと、毎日決まった時間にその行動を行う時間を合図とするグループのいずれかに無作為に振り分けられた。
実験は84日間にわたり、参加者には行動を完了したかどうか、またそれがどの程度自動的なものに感じられたかを報告してもらった。その結果、どちらの方法も習慣の自動性を高めるのに有効で、計画した行動を繰り返し実行することが成功の最も強い予測因子であることが明らかになった。また、習慣化に成功した人でその習慣が自動的に行われるようになるには平均約59日かかることもわかった。
つまり、既存の日課と結びついている小さくても一貫性のある行動は非常に強力なのだ。こうして、自分にプレッシャーを与えることなく望ましい行動を促す自然な合図を作ることができる。完璧さや強度よりも、一貫性と繰り返しが重要なのだ。このような小さな働きかけが時間と共に積み重なり、長く続く変化を生み出す。
昔からとってきた行動と新たな行動を意図的に組み合わせることで、あなたが築きたい人生に着実に近づくことができる。


