食生活を改善しよう、もっと体を鍛えよう、深夜のスマホの使用をもうやめよう、などと誓ったことはないだろうか。かなり頑張って最初はうまくいっていても、気がつくと元通りになっている。もし身に覚えがあるなら、それはあなただけではない。
たいていの人は、これは自分が怠け者だから、あるいはだらしないからだと考える。自分には意志力がないと思っているかもしれないが、本当の問題は習慣を変えるためのアプローチにあることが多い。
意志の力だけでは長く続く変化を生み出すことはできない。気づかなければならないのは、習慣は周囲の環境的な合図とあなたのアイデンティティにつながる方法によって形作られているということだ。
これが、作家ジェームズ・クリアーのベストセラー本『Atomic Habits(ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣)』の中心的な考え方だ。クリアーは心理学、神経科学、そして数十年にわたる行動変容の研究を用いた。さらに、大怪我から回復した後に自身が苦労して得た教訓も組み合わせた。この本は、習慣を強制するものではなく、自分で設計するものととらえ直す実践的な枠組みとして役立つ。
良い習慣が必然的に身に付き、悪い習慣は定着しにくくなるようなシステムを構築する
クリアーはライターのアッベ・ライトとのインタビューの中で、「目標のレベルまで自分を高めるのではなく、システムのレベルまで掘り下げる」と述べて自著本のエッセンスを説明している。これを整理すると、長く続く変化は高い目標を目指すことからは生まれないということだ。良い習慣が必然的に身に付き、悪い習慣は定着しにくくなるようなシステムを構築することにもっと焦点を当てる必要がある。
だからこそクリアーは、変化を定着させる方法を変えるのに役立つテクニックを提案している。クリアーの本に基づいて、良い習慣を無理なく身につけるための3つの簡単な方法を紹介しよう。



