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2025.10.09 10:00

アマゾンは米警察の意思決定を奪うか──銃検知AIから補助金獲得までAWSが主導

bluestork / Shutterstock.com

顔認識・Ring連携などでプライバシー団体が激しく批判

しかし、プライバシー保護団体は長年、アマゾンが法執行機関と連携していることに強い懸念を示してきた。アマゾンの顔認識ツールは、白人以外の顔の識別精度が低いとして批判を受けてきたが、同社は今年初め、警察向けテクノロジー大手のAxon(アクソン)と提携し、警察がRing(リング)のカメラ映像を入手できるサービスを提供したことで新たな非難を浴びた。さらにアマゾンは、2020年に顔認識サービスRekognitionの警察向け販売を当面停止する方針を打ち出していたにもかかわらず、昨年、同サービスを米司法省に販売し始めた。この動きを受けて、プライバシー活動家たちは再び警戒を強めた。ただしアマゾンは、この販売はその停止方針に反するものではないと主張している。

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「世界最大級の企業が、こうした形で権威主義的な監視技術を推進しているのは嘆かわしいことだ。アマゾンがAIを使った法執行技術の“育ての親”のような役割を果たしているとは思わなかった」と、アメリカ自由人権協会(ACLU)の上級政策アナリスト、ジェイ・スタンリーはフォーブスに語った。

アマゾンはこれまで、こうした見方に反論しており、「Rekognitionの顔照合結果を警察が活用する際には、その結果の信頼度が95%以上の場合にのみ行動をとることを推奨している」と説明している。また、RingとAxonの提携についても「地域社会の住民と治安当局を結ぶ重要な連携を促進し、互いに協力して地域の安全を守るための仕組みを提供するものだ」と述べている。

警察や提携企業は歓迎、「信頼性のレベルを高める存在」と評価

警察のIT責任者や提携企業側は、アマゾンがそのような役割を担うことをむしろ歓迎しているようだ。サンディエゴ郡保安局の最高情報責任者アシシュ・カッカードはフォーブスに対し、同局にとってアマゾンは「それまで知り得なかった新しい技術への容易な導入口」であり、「信頼性のレベルを高める存在」として受け止めていると語った。

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Abel Policeの共同創業者でCEOを務めるダニエル・フランシスも、同様の立場を取っている。「AWSのチームは本当に素晴らしい」と語る彼は、「アマゾンはいくつもの機関を紹介してくれた」と述べており、AWSとの提携によって、自社のツールへの関心が高まったと付け加えた。同社のツールは、ボディカメラの映像を解析して自動的に警察報告書を作成するものだ。

Yコンビネータの育成プログラムを経て500万ドル(約7億6000万円)のシード資金を調達したAbel Policeのアプリは、運転免許証などの身分証を読み取ることで、個人の情報を警察のデータベースから取得することが可能だ。同社は、アマゾンの法執行チームの責任者から昨年紹介を受けたことをきっかけに、サンディエゴ郡での実証実験を間もなく開始する予定だと、フランシスはフォーブスに語った。

Veritoneのライアン・スティールバーグCEOとNomad MediaのミラーCEOも、アマゾンが彼らの企業を海外の警察機関に紹介し、最近では英国の捜査機関にもつないでいると語った。「ここ2〜3年、AWSは公共部門でのシェア拡大を目指して、より協調的な取り組みを強化してきた。新しい顧客や海外の機関に接触するうえで、アマゾンは優れたパートナーとなっている」とスティールバーグは述べている。

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翻訳=上田裕資

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