OpenAIのCEOサム・アルトマンは、米国時間10月6日、ChatGPTの利用中にSpotify(スポティファイ)や不動産情報サービスのZillow(ジロー)といったサードパーティ製アプリにアクセスできるようにすると発表した。これは、OpenAI、xAI、グーグル、Anthropic(アンソロピック)といった巨人がAI覇権を争うなかで発表された、最新の人工知能の革新の1つだ。
アルトマンは米国時間10月6日に開催されたOpenAIのイベント「DevDay」での基調講演で、チャットボットの利用中にサードパーティ製アプリへ直接アクセスできるようにする「App SDK」を発表した。
またアルトマンによれば、ChatGPT利用者は、チャットボットにパーティー用のプレイリスト作成を依頼してSpotifyを通じた音楽の推薦を受けたり、Zillowを通じて特定の地域で希望するスタイルの住宅を検索したりできるという。なお、これらのアプリは初回利用時にサインインが必要になるという。
大手AI企業各社の最新チャットボットは?
Anthropicは9月に最新AIモデル「Claude Sonnet 4.5」をリリースし、コーディングやビジネス関連の依頼への対応を改善した。OpenAIの最新言語モデル「GPT-5」は8月に登場し、応答の高速化と、誤情報を生む「ハルシネーション」(モデルが誤った、またはミスリーディングな結果を誤って出す現象)の発生確率低下を特徴としている。グーグルの最新モデル「Gemini 2.5 Pro」は6月にリリースされた。見出し、箇条書き、表の利用を含む整理された応答によって、複雑なユーザーの要求を理解しやすくなっている。xAIの最新Grokモデル「Grok 4」は7月に公開され、検索との連携と問題解決能力が向上した。メタの「Llama 4」は4月にリリースされ、入出力コストの低さとより大きなコンテキストウィンドウを強みとしている。コンテキストウィンドウは、長い会話を維持し大規模な要求に対応するうえで重要な要素だ。
最新のAI動画生成ツールは?
OpenAIは先月末、動画生成モデルの第2弾「Sora 2」をリリースし、生成動画に音声やユーザーの自身の姿(肖像)を追加する機能を導入した。Sora 2は独立アプリとして公開され、モデルが生成する動画クリップに同期したセリフや効果音を組み込めるようにするなど、前世代から改良されている。
メタは9月に、友人やフォロワーとAI動画を共有するソーシャルアプリ「Vibes」のプレビュー版を公開し、同社のAI動画生成の提供を拡張した。同社の動画生成ソフト「Meta Movie Gen」は、テキスト入力からカスタム動画を作成する。Sora 2と同様に、Meta Movie Genの利用者は自分の写真をアップロードすることで、生成動画に自身の姿を使用できる(Sora 2では、姿を動画に取り込むためにユーザーからの動画と音声の録画が必要になる)。VibesとMeta Movie Genは無料だ。
xAIの動画生成モデルは「Grok Imagine」と呼ばれ、テキスト入力から音声付きの6秒間の短い動画を生成できる。モデル自体は無料だが、プレミアムユーザーはより長い動画や高解像度、より高い使用上限にアクセスできる。グーグルの動画生成モデル「Veo 3」は5月に公開され、テキストから動画、画像から動画への生成機能を備える。



