宇宙

2025.10.07 17:30

「ハーベストムーン」が昇り流星が駆ける おうし座に注目したい今週の夜空

米ニューヨークの高層ビル「30ハドソンヤード」の背後に昇る「ハーベストムーン」前夜の月。2025年10月5日撮影(Gary Hershorn/Getty Images)

米ニューヨークの高層ビル「30ハドソンヤード」の背後に昇る「ハーベストムーン」前夜の月。2025年10月5日撮影(Gary Hershorn/Getty Images)

今週は「ハーベストムーン」の満月が昇り、「10月りゅう座流星群」が極大を迎える。月はプレアデス星団との共演を披露し、オリオン座が夜空に戻ってくる。2025年10月第2週の夜空、星空観察、天文学についてまとめた。

10月7日(火):「ハーベストムーン」の満月

夕暮れ時に東の地平線から姿を現す印象的な光景を見逃さないでほしい。視界の開けた場所で待ち構えよう。10月の満月は、米先住民の農事暦で「ハンターズムーン(狩人の月)」と呼ぶのが一般的だが、今年は9月23日の秋分の日に最も近い満月なので「ハーベストムーン(収穫の月)」の呼び名がつく。

米シードスカディー国立野生動物保護区で、草原の向こうに昇る「ハーベストムーン」の満月(Shutterstock.com)
米シードスカディー国立野生動物保護区で、草原の向こうに昇る「ハーベストムーン」の満月(Shutterstock.com)

10月8日(水)日没後~9日(木)明け方:10月りゅう座流星群が極大

「10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」が8日夜~9日明け方に極大を迎える。北極星の周りを廻る周極星座であるりゅう座の方向から、ゆっくりとした流れ星が飛来する。1時間に出現する流星は最大10個程度と小規模な流星群だが、観測しやすいことで知られる。

放射点が(北緯35度以北では)地平線に沈まないため、日没後に空が暗くなってすぐ観測が可能なのだ。これまでに何度か突発的な大出現をしたことがあるので、期待を胸に北の空を見上げてみよう。

10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)の放射点を示した図(NASA/JPL-Caltech)
10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)の放射点を示した図(NASA/JPL-Caltech)

10月10日(金)~11日(土):月とプレアデス星団の共演

10日未明~明け方と10日宵~11日明け方の2晩にわたり、欠け始めた月がおうし座の散開星団、プレアデス星団(M45:すばる)と並んで夜空を渡る。月の輝きの傍らで青白く繊細にきらめく星々を観察するには、双眼鏡を使うとよい。

2025年10月10日(東京:午前3時頃)の南の空(Stellarium)
2025年10月10日(東京:午前3時頃)の南の空(Stellarium)

10月11日(土)~12日(日):ぎょしゃ座δ流星群が極大

「ぎょしゃ座δ(デルタ)流星群」は天文ファンの間でも非常にマイナーな流星群で、極大時でも1時間あたり約2個しか流星が出現しない。11日夜~12日明け方にかけて極大を迎えるため、もしもこの晩に流れ星を見かけたなら、おそらくぎょしゃ座δ流星群の流星だ。放射点はぎょしゃ座で最も明るい1等星カペラの付近にあり、深夜に東の空高く昇る。

2025年10月12日(東京:午前0時)の東の空。ぎょしゃ座のカペラ近くに「ぎょしゃ座δ流星群」の放射点がある(Stellarium)
2025年10月12日(東京:午前0時)の東の空。ぎょしゃ座のカペラ近くに「ぎょしゃ座δ流星群」の放射点がある(Stellarium)

今週の星座:おうし座

今週は月がおうし座を通過する。おうし座を観察する絶好の機会なので、暗くなったら東の空を眺めてみよう。

まず、V字型におうしの頭部を形づくっているヒアデス星団と、おうしの目に当たる1等星アルデバランが明るく輝いているのが目に留まるだろう。長く伸びた立派な角の先には、1054年に出現した超新星の残骸である、かに星雲(M1)もある。「すばる」の和名で知られるプレアデス星団は、おうしの背中に位置している。

おうし座(E. Slawik/NOIRLab/NSF/AURA/M. Zamani)
おうし座(E. Slawik/NOIRLab/NSF/AURA/M. Zamani)
SEE
ALSO

サイエンス > 宇宙

まもなく地球最接近、「一生に一度」のレモン彗星を見よう 観測のポイントは

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事