暑かったり涼しかったりする日が繰り返されると、体が重くなったり頭がボンヤリする、いわゆる「寒暖差疲労」を感じる人が増える。原因のひとつに血管の収縮による血液の滞りがあるというが、生活習慣も大きく影響している。
花王は、20〜60代の男女1000人を対象に「寒暖差と入浴に関する調査」を実施した。秋から冬にかけて気温が急激に変化することで体に疲労を感じる人は約8割。体がだるい、頭がぼーっとする、頭痛、肩こり、寝つきが悪いといった症状が多く見られる。そのほか、鼻づまりや咳、鼻水、くしゃみなどを訴える人もいる。

寒暖差疲労とは、気温の急激な変化や1日の寒暖差が大きい環境に身を置くことで自律神経が乱れ、心身に不調を感じることを指す。そうした環境では体温を一定に保とうと自律神経ががんばり過ぎて大量のエネルギーを消費することから疲労が蓄積するというわけだ。
簡単で有効な対策は入浴、とくに血管を広げる効果のある「炭酸浴」で血行促進を促すことだと早坂教授は指摘する。調査では、入浴頻度が低い人(週に1〜2日またはまったく入らない)は、頻度が高い人(毎日または週に3〜6日)にくらべて約1.2倍のだるさを感じていた。

まだ寒暖差疲労を感じていないという人も、これから冬にかけて不調が出てくる恐れは十分にある。そこで、早坂教授は寒暖差疲労予備軍を判定する「血流セルフチェックシート」を考案した。左の項目は生活習慣、右の項目は現在感じている不調だ。全体で3個以上の項目に当てはまると寒暖差疲労予備軍と判定され、十分な注意が必要になる。

左の生活習慣の設問は、裏を返せば好ましくない項目だ。これらを改善すれば、右の症状が緩和される可能性がある。心身の不調は免疫力を低下させてインフルエンザなどの感染症への抵抗力も落ちる心配がある。今からしっかり対策しておこう。



