実際、米国、ドイツ、デンマーク、フィンランドの企業がウクライナのエネルギー分野に最先端技術を導入しており、戦争のさなかにあっても民主主義が協力と革新を促すことを示している。チムチェンコCEOは、ウクライナでは個人に自由が与えられていることで、革新が可能になるのだと強調した。これにより、同国はエネルギー施設への執拗な攻撃に耐え抜くだけでなく、大規模な再建と復興を果たした。このような前例は見当たらない。チムチェンコCEOによると、デンマークの風車大手ベスタスは、ウクライナに東欧最大級となる出力500メガワットの風力発電所を建設中で、大規模な蓄電池システムも設置される予定だという。同発電所は全国の電力系統に統合され、必要な場所へ一時的な電力を供給する。
民主主義は育まれ活用されることで、閉鎖的な制度では再現できない回復力や適応性、そして長期的な戦略的優位性が生まれる。ドナルド・トランプ大統領のような米国の指導者が、この民主主義の忍耐力というモデルにどのように対応するかという問題は、学術的な問題以上の意味を持つ。外交や投資を通じてウクライナを支援することは、攻撃を受けている国との連帯を示すだけでなく、人々を解放するという決意を示すものでもある。この教訓を無視すれば、経済と創意工夫を危険にさらすことになる。
風力・太陽光発電所の建設や蓄電池の導入を通じて関係を構築し、エネルギー安全保障を強化できれば、ウクライナが攻撃から逃れられると同時に、国際社会も独裁政権の支配から守られることになる。それが国際的な同盟や協定の仕組みだ。門を閉ざし身を隠す国々は敗れる。
地政学の教訓
ウクライナは、民主主義が抽象的な理想ではなく、具体的な大義であり、国家の存続に不可欠であることを示している。ロシアは依然として武器と領土を保持しているかもしれないが、ウクライナが独裁政治の限界を暴いた。独裁政治は破壊し、脅迫することはできても、自由な社会ほど効果的に革新したり、耐え抜いたりすることはできない。
チムチェンコCEOは次のように述べた。「戦争の最初の数年間、わが国は軍事や財政の支援を求めた。ところが今や、われわれはウクライナでの投資や協業を含む機会について議論している。慈善活動ではなく、ビジネスの話をしているのだ。ロシアによるあらゆる攻撃に対抗できるよう、より強靭なエネルギーシステムの構築に協力してくれるパートナーが必要だ。そして、わが国は年々強くなっている」
ウクライナのエネルギー回復力は、民主主義がいかに経済的持続力を育むかを体現している。同国は家庭や産業、そして野心を支える中で、1つの強いメッセージを発している。独裁主義は社会基盤を損なうことはできても、自由や創意工夫、そして国家の勝利への意志を消し去ることはできないのだ。


