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2025.10.07 17:00

SNSが「普通」のことに仕立てている「3つの不健全な考え方」、その背景を心理学者が解説

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1. 趣味を収益化する

趣味は単純な理由のためにある。喜びの源であり、リラックスするのに役立つ。精神的にも感情的にも充電できる。趣味がストレスを軽減し、不安やうつの症状を抑え、本来の自分を取り戻す空間を与えることで人生の全体的な満足度を向上させる役割があることは一貫して研究で示されている。

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だがSNSはこうしたストーリーを変えている。どんな趣味も最終的にはお金になるという考えを広めた。インフルエンサーらは副業や作ったものをEtsy(エッツィー)で売るためのアイデア、あるいはアートや執筆、あるいはクラフトを副業にした人たちのストーリーを紹介したりする。情熱を注ぐものを収益化することは単なる選択肢ではなく、当然の次のステップであるかのようだ。趣味を収益化しないというのは宝の持ち腐れのようなもので、趣味を最大限活用していない可能性があるとそれとなく言っている。

科学誌『PLOS One(プロスワン)』に2021年に掲載された研究はこうした考えに異議を唱えている。研究者らは収益化のレベルがそれぞれ異なるコミュニティを比較した。

予想に反して、収益化が最も行われていないコミュニティは幸福度が非常に高く、裕福な国のコミュニティに匹敵することがわかった。収益化の度合いが高まるにつれて、人々が幸せを感じる要因は収益化が進んでいないところでは(自然を楽しむような)単純で体験的な楽しみから、収益化が進んでいるところは社会・経済的要因へとシフトしていった。

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あなたを疲弊させるものであってはならない

これは、趣味を収益化することが本質的に間違っているということではない。人によっては、それが理想的な場合もある。収益化は力を与え、経済的に役立つことさえある。手がけるアートや趣味をオンラインで共有することでコミュニティとつながり、チャンスを生み出せる。

しかし収益化は趣味の唯一の、あるいは主な目的ではないことを忘れてはいけない。趣味でどれだけお金を稼げるか、どれだけ「いいね!」を獲得するかで情熱を測る必要はない。趣味はあなたを豊かにするものであって、完璧なものにしなければならないというプレッシャーであなたを疲弊させるものであってはならない。

あなたの趣味が、ただリラックスして生きていることを実感するための手段のままであるなら、それだけで十分だ。そしてもし副産物として評価や達成がもたらされたとしても、それはあくまでボーナスであって、自分の価値を決める基準にはしないようにしよう。

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翻訳=溝口慈子

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