行動経済学研究の第一人者であるダン・アリエリーが、私たちが日々直面する、些細だが重要な悩みに自ら答えた―。
Q.いつも遊んでいる仲間たちと会うと、いつも「今日はどこに行く?」「そうだなあ…」みたいな会話が延々と続いてイライラするし、時間がもったいない。
もっと早く決断する方法、なんかない?
A.僕なら、考える時間を制限するルールを決めちゃうね。
(ダン・アリエリー/デューク大学教授)
誰かが「今晩、何したい?」と聞いた場合、それは「すべての選択肢を考えた場合、今晩、この面子でできるいちばん楽しいことって何?」と暗に意味している。
この問題は、唯一最良の答えを見つけるのが難しいことだ。だって、まずはあらゆる選択肢を考え、次にメンバーの好みを考慮に入れて、そしてこれらの条件や制約を満たす最高の答えを見つけなくちゃいけないのだから。
根本的な問題は、これを考える時間については計算に入れていないことだ。
そもそも「何がしたい?」という質問をして大事な時間を浪費しているのだし。僕なら、考える時間を制限するルールを決めちゃうね。それと、先に“保険”になりそうな選択肢も決めておくよ。
例えば、「Xで飲む」「Yでバスケをする」みたいな、そこそこ面白そうなことを友達に伝えておく。それで、10分経っても誰も面白いアイデアを思いつかない場合は、XかYに行くと宣言するんだ。携帯電話でタイマーをかけておこう。君の本気が伝わるはずだ。
そしてアラームが鳴ったら、XかYに向かう。みんなについてくるように言い、一緒に来ない人には「現地で会おう」と言い放つ。
このやり方を繰り返すうちに仲間はきっと慣れてくるだろうし、もったいない習慣も終わるはずだ。