“飲んだあと”をどう整えるか
医師自身が行っているケアでは、「休肝日」がもっとも多く挙げられた。続いて「水分・栄養補給」「サプリメントの活用」が続いた。肝臓を休ませ、体のバランスを整える——そんな当たり前のことが、確実なリカバリー策ということがわかる。
水分・栄養補給も、その「やり方」次第で回復に差が出る。水分は冷たい水よりも常温水や味噌汁などでゆっくり補う。カリウムやビタミンB群を含む軽い食事を意識し、豆腐や野菜、果物を中心に、胃腸にやさしい内容を心がける。ぬるめの入浴で血流を促すのもいいだろう。つまり摂取したアルコールや塩分・脂質を、いかに効率的にデトックスするかが鍵となる。
また、宴会中でもできることはある。アルコールと同量の水(チェイサー)を交互に摂取することで血中のアルコール濃度を薄め、翌日の疲労感を和らげる助けとなる。“飲みながら整える・飲んだあと整える”という意識が、いまの働く世代に必要なセルフマネジメントといえる。


企業に問われる「飲ませない配慮」
「飲みニケーション」が人間関係を円滑にするという考えは依然として根強い。だが、その一夜が翌日のパフォーマンスを落とし、体調不良や欠勤につながれば、企業にとっても損失だ。最近は「飲めません」「今日は控えます」と自然に断る若手も増えている。それでも、上司や取引先との関係を重んじて、“断れない”まま参加している人も一定数存在する。
上司や経営層こそ、部下の健康を守る視点から飲み会の頻度や時間を見極める必要があるだろう。信頼関係を築くための場が、社員の体調を損なうものにならないように、これからの時代は「飲ませない配慮」も企業マネジメントの一部にしたいものだ。


