映画

2025.10.12 17:00

2025年10月にNetflixに追加された注目映画10作品

A House of Dynamite(Eros Hoagland/NETFLIX)

9.『ブルークラッシュ』(Blue Crush, 2002)日本配信未定

批評家や一般の映画ファンからまともに相手にされず、不当に低評価されてきた監督は少なくない。ジョン・ストックウェルはまさにその一人で、彼の作品は概して、ぬるい評価(実は傑作の『クレイジー/ビューティフル(Crazy/Beautiful)』のような作品)か、厳しい評価(これも実は良作の『イントゥ・ザ・ブルー(Into the Blue)』のような作品)かのどちらかだった。2002年の『ブルークラッシュ(Blue Crush)』も、没入感の高いサーフィン撮影と自然主義的アプローチゆえに、その枠に入れられてきた。しかし勘違いしてはいけない──この動感あふれる物語は、美しく撮られ、丁寧に語られている。

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物語の中心にいるのは、かつてサーフィン界の新星だったアン・マリー・チャドウィック(ケイト・ボスワース)。彼女は溺れかけた事故で野望が頓挫している。オアフ島ノースショアの掘立小屋のような家で、妹のペニー(ミカ・ブーレム)や親友のイーデン(ミシェル・ロドリゲス)、レナ(サノエ・レイク)と同居するなか、名門パイプライン大会への出場を促され、同時に、NFLのクォーターバック、マット・トルマン(マシュー・デイヴィス)との恋の可能性も芽生える。

『ブルークラッシュ』の核にあるのは恐怖と回復であり、トラウマは自然消滅しないこと、本当の勇気は本当に怖いときにしか見つからないことを描く。

10.『夕暮れにベルが鳴る』(When a Stranger Calls, 1979)日本配信未定

昨今のホラー映画は、少しばかり本質を見失っているのではないか。込み入った物語、あからさまな政治的主張や文化的言説、ウィップパンやダッチティルト、クラッシュズームの多用──かつての単純明快さはどこへ行ったのか。『ハロウィン(Halloween)』や『蝋人形の館(House of Wax)』、『悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre)』のような映画が効果的だったのは、そのシンプルさ、臓腑に響く直截さ、余計な装飾のなさにこそ理由があった。『夕暮れにベルが鳴る(When a Stranger Calls)』もまさにその陣営に属する。

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物語は、高校生のジル・ジョンソン(キャロル・ケイン)が、二人の子どものベビーシッターを引き受けるところから始まる。ほどなくして、正体不明の男から不穏な電話がかかってくる。「子どもたちを見たか?」という問いが繰り返される。実は子どもたちはすでに殺されており、犯人のカート・ダンカン(トニー・ベックリー)は逮捕される。七年後、ダンカンは精神病院から脱走。元刑事のジョン・クリフォード(チャールズ・ダーニング)が追跡を依頼される一方で、ダンカンは結婚して母となったジルに、あの恐怖を再び味あわせる。現在、日本のNetf;ixでは2006年のリメイク版が『ストレンジャーコール』として配信されている

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翻訳=酒匂寛

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