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2025.10.08 09:00

音声認識AIで人手不足を解消へ、​​レストラン業界が注目する「Slang AI」の実力

Shutterstock.com

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経営者の多くは、「AIは本当に自社に価値をもたらしているのか」と自問している。その問いへの答えは、明確にイエスである。ただし、その成果は導入するAI技術の種類に大きく左右される。中でも代表的な成功例のひとつが、音声認識技術だ。

一部の企業は「利益への顕著な影響は見られない」と報告し、多くのAIプロジェクトが「測定可能な損益効果を生み出せていない」と指摘されている。その一方で、中小企業における生成AIの導入は急速に拡大している。大手ブランドが数百万ドルを投じても成果が乏しいのとは対照的に、中小企業ではAIプラットフォームの活用が投資回収につながる事例が現れ始めている。その代表例が「スラングAI(Slang AI)」だ。

レストラン予約に対応した音声AI

スラングAIは、音声認識技術を活用し、人間の介在を必要とせずにレストランの予約受付を行うエージェント型AIプラットフォームだ。レストラン経営者であれば、見込み客からの予約受付がいかに重要かを理解しているだろう。しかし、従来はこの業務には多くの時間を要し、電話対応や質問への回答、予約帳の更新といった作業に有給の従業員を割く必要があった。スラングAIは、こうした業務をボットで代替する。

電話でレストラン予約を行う人は、今も決して少なくない。新聞やケーブルテレビ、クラシックロックに熱心なファン層が存在するのと同様に、多くの顧客が依然として電話による予約を選んでいる。

「団体客や直前の予約に加え、ビジネス客や観光客も電話での予約を選ぶケースが多い」と、スラングAIの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)、アレックス・サンブヴァニは言う。「車内から電話をかけてくる利用者も少なくない」と彼は付け加えた。

スラングAIは、「オープンテーブル(OpenTable)」や「レジ―(Resy)」といったオンライン予約システムを置き換えるものではなく、その機能を補完するサービスだ。

「オープンテーブルは、最も広く利用されているレストラン管理ソフトと連携し、店舗の収益最大化と業務の一元管理を支援している」と、同社CTO(最高技術責任者)のサガル・メータは語る。「スラングAIとの音声AI連携により、レストランが抱える三つの主要なニーズに応えることができる。まず、オープンテーブルのリアルタイム空席情報を活用した24時間365日の予約受付による集客力の強化。次に、従業員の電話対応時間を削減し、業務効率を高めること。そして最後に、来店客に関する情報を即座に提供することで、ホスピタリティを向上させることだ」とメータは強調する。

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編集=朝香実

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