AIスタートアップの資金調達
難易度の高い数学問題を解けるAIモデルの学習を目指す初期スタートアップAxiom Mathは、3億ドル(約442億円)の評価額で6400万ドル(約94億4000万円)のシード資金を調達したと、筆者は今週報じた。
新進のリーガルAIスタートアップLegoraは、18億ドル(約2654億円)の評価額で1億ドル(約147億円)超の資金調達を協議中だと、筆者は同僚のイアン・マーティンとともに報じた。
Periodic Labsは、アンドリーセン・ホロウィッツなどから3億ドル(約442億円)のシード資金調達を発表した。ChatGPTの共同開発者ウィリアム・フェダスが共同創業した同社は、半導体、磁性、超伝導といった分野での科学的発見に資するAIモデルの学習を計画している。
オブザーバビリティ(観測可能性)サービス事業者の成長
AI熱狂の土台となるGPUを製造する時価総額4.4兆ドル(約648兆7400億円)の巨人エヌビディアが、自社システムの脅威や不審な活動を監視する必要があるときに頼るのは、Grafana Labsという小さなスタートアップである。Uber、Anthropic、アドビも、企業全体の運用を横断して可視化するダッシュボードのようなGrafanaのツール群を活用している。
評価額60億ドル(約8846億円)のグラファナは米国時間9月30日、年換算売上が4億ドル(約590億円)に到達したと発表した。売上の伸びは一部、サーバーやストレージなどの自前インフラを用意せずにプラットフォームを使える「Grafana Cloud」の成長によるものだと、ラジ・ダットCEOはForbesに語った。
良質なオブザーバビリティ(観測可能性)サービスの必要性はAI時代に急拡大している。生成AIモデルによる「バイブ・コーディング」(おおまかな雰囲気だけを伝えてコードを書かせるようなやり方)が一般化するにつれ、何が、いつ、誰によって行われているのかを把握することが難しくなっているからだ、とダットは言う。「今日のソフトウェアは生き物のように見え始めています」とダットは語る。「かつてないほど速く――ときには雑に――作られ、出荷されています。だからこそ、本番環境でアプリがどのように機能しているかを理解することが極めて重要です」。
AI女優の振る舞い
「AI女優」と称されるAI生成キャラクター、ティリー・ノーウッドが、16万人超の(人間の)俳優を代表する組合SAG-AFTRA(全米映画俳優組合・アメリカテレビ・ラジオ芸能人連盟)から反発を受けた。同組合は、この合成パフォーマーが俳優の演技を無断かつ無報酬で利用して生成されたと主張している。また、AI生成の人物の使用は「俳優の生計を危うくし、人間の芸術性の価値を下げる」おそれがあるとも指摘した。


