OpenAIの大きな動き
OpenAIは、ユーザーがChatGPTを通じてEtsyやShopifyの販売者から直接商品を購入できるようになると発表した。すでに約7億人が、チャットボットを使って商品の検索や比較を行っている。オープンAIは主力製品の収益化を図る中で、ChatGPT内に広告を導入する計画だと報じられている。これは、オラクルやCoreWeaveといった企業から計算資源を購入するために同社が多額の資金を費やしてきたことを踏まえると重要だ。OpenAIは2025年上半期に43億ドル(約6300億円)の売上を計上し、現金消費(キャッシュバーン)は23億ドル(約3400億円)だったとThe Informationは報じた。一方で、今後4年間で、10ギガワット規模のAIインフラプロジェクト「Stargate」に最大5000億ドル(約73兆7200億円)を投じることを約束している。OpenAIは、今年の売上を130億ドル(約1兆9200億円)と見込んでいる。
半導体と計算資源
AIクラウドコンピュート大手のCoreWeaveは、2031年までに新しいモデルを学習するための計算能力を提供する142億ドル規模の契約をメタと締結した。OpenAIも最近、CoreWeaveとの契約を拡大し、インフラに224億ドル(約3兆3000億円)を支出する計画だ。業界全体がインフラの軍拡競争にある中、主要なAI企業はAIデータセンターと先端GPUに天文学的な額を投じている。ベイン・アンド・カンパニーの報告によれば、投資家とテック企業がAI投資を採算に乗せるには、2030年までに年間約2兆ドル(約294兆8800億円)の売上を計上する必要があるという。
人材のシャッフル
フィナンシャル・タイムズの報道によれば、イーロン・マスクの企業群ではここ数カ月、上級幹部の離職が目立っている。マスクのAIスタートアップであるxAIでは、最高財務責任者(CFO)と法務最高責任者が最近退社したが、長時間労働が主な懸念だったと述べている。離職は燃え尽き(バーンアウト)が背景にあるほか、マスクの政治的立場にうんざりした従業員もいるためだ。AI人材は、AIレースで勝とうとするスタートアップにとって不可欠になっており、従業員がより良い機会を求めて移る余地は十分にある。


