宇宙

2025.10.04 13:00

オリオン座流星群の季節が到来! 観測条件は最高、2つの彗星との共演も拝めるかも?

オリオン座と流星(Shutterstock.com)

オリオン座と流星(Shutterstock.com)

オリオン座流星群の季節が今年もやってきた。10月2日から11月7日まで、いくつもの流れ星が夜空を駆ける。流星群の活動が最も活発になる極大夜は10月21日夜~22日明け方で、新月と重なるため月明かりの影響がない。さらにこの日は、2つの彗星が日没後の空を彩り、もしかしたら肉眼でも観測可能になるかもしれない。

オリオン座流星群とは

2016年のオリオン座流星群(Shutterstock.com)
2016年のオリオン座流星群(Shutterstock.com)

オリオン座流星群は、毎年秋に出現する流星群だ。ハレー彗星が太陽系内に残した塵の帯(ダストトレイル)を地球の軌道が横切る際に生じる現象で、米国流星学会(AMS)によれば、砂粒ほどの微小粒子が秒速66kmで地球の大気に衝突・発光することで流星となる。米航空宇宙局(NASA)によると、オリオン座流星群は大気圏への塵の突入速度(対地速度)が速く、明るい流星が多いことで知られる。

どこに見える?

オリオン座流星群の放射点の位置を示した図(NASA/JPL-Caltech)
オリオン座流星群の放射点の位置を示した図(NASA/JPL-Caltech)

流星群の流れ星は夜空のどこにでも現れるが、地上から観測すると天球上の一点から放射状に飛び出してくるように見える。この点を「放射点(輻射点)」と呼び、流星群には放射点の付近にある星座や恒星の名前が付けられている。オリオン座流星群の放射点は、オリオン座の赤色超巨星ベテルギウスの近くにある。

母天体はハレー彗星

オリオン座流星群の「生みの親」である母天体は、世界で最も有名な彗星であるハレー彗星だ。ハレー彗星そのものは1986年に地球に最接近したのち、次は2061年まで太陽系に戻ってはこないが、過去の太陽系通過時に放出した塵が、年に2回、地球の夜空に降り注いできらめく。5月のみずがめ座η(エータ)流星群と、10月のオリオン座流星群である。

1986年の地球接近時に撮影されたハレー彗星(Shutterstock.com)
1986年の地球接近時に撮影されたハレー彗星(Shutterstock.com)

流星群と2つの彗星が共演

月明かりのない暗い夜空を流星が駆けるだけでなく、そこに明るい彗星が華を添える可能性もある。

今年1月に発見された「レモン彗星(C/2025 A6)」は、10月21日に地球に最接近する。ちょうどオリオン座流星群の極大と新月の闇夜が重なるタイミングだ。驚くべきことに、先月発見されたばかりの「スワン彗星(C/2025 R2)」もほぼ同時に地球に最接近する。天文関係者たちは、この2つの彗星が順調に明るさを増せば肉眼でも見えるようになるのではないかと期待を寄せている。

流星群と肉眼で見える彗星の共演が実現すれば、天文ファンにとっては千載一遇のすばらしい眺めとなるに違いない。

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10月の夜空

オリオン座流星群を筆頭に、10月は天文ファンにとって忙しい1か月となりそうだ。6日に「中秋の名月」が、7日には「ハーベストムーン(収穫月)」の満月が昇り、8日夜~9日明け方にかけて「10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」が極大を迎える。10日未明~明け方と同日宵~11日未明には、月とおうし座のプレアデス星団(すばる)が接近。19日と20日の夜明け前に東の低空で細い下弦の月が金星と並び、24日の日没直後には西の地平線間際で月が水星と火星と共演する。

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forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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