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2025.10.03 15:30

マスクの「解約呼びかけ」でネトフリ株が2日連続下落、作品監督による故カーク批判で

Sheldon Cooper/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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ストリーミング大手ネットフリックスの株価は、イーロン・マスクがユーザーに対し解約を呼びかけたことを受け、2日連続で下落している。同社が制作を中断したアニメ作品のディレクターが、故チャーリー・カーク(保守系活動家)を批判したとされる件を受けてのことだ。

米国時間10月2日の取引開始後、ネットフリックス株は1.2%下落したが、その後損失を縮めて0.8%安となり、午後2時15分(米東部時間)時点で1161ドルとなった。

同社の株価は、マスクが30日に「自分はネットフリックスを解約した」と投稿して以降、約2.4%下落している。これは、打ち切りとなったネットフリックスのアニメ作品『デッド・エンド:ようこそ!オカルト遊園地へ』の監督であるハミッシュ・スティールが、カークを批判する投稿をしたとされる件に、別のユーザーが「解約した」と書き込んだことにマスクが反応したものだった。

マスクはボイコットの呼びかけを強めており、フォロワーに対し「子どものためにネットフリックスを解約せよ」と述べ、さらにネットフリックスが「トランスジェンダーにまつわるウォーク(Woke)的な議論」を推進していると非難する投稿を拡散した。

ハイテク株中心のナスダックは5日連続で上昇した一方で、ネットフリックス株は同期間に4.4%下落している。

マスクによる解約の呼びかけは、現在は非公開となったスティールの投稿に端を発している。右派系アカウント、Libs of TikTokが公開したスクリーンショットでは、スティールが英国のキア・スターマー首相がカークの死を悼む投稿について批判し、カークを「ばか野郎」などと呼んでいたとされる。また、スティールのアニメ作品の概要欄には、「復讐をもくろむ霊、しゃべるパグ、LGBTQ+の恋愛などの要素が含まれる、多様な従業員が働くお化けテーマパークを舞台」にした、「怖くて甘いシリーズ」と書かれている。

スティールは今回の件について、SNSのBlueskyへの投稿で、「今日の調子はまあまあで、今回の件を全体的には面白がっていたし、連絡をくれた人々には本当に感謝している。ただ、非常に嫌な(同性愛嫌悪的な)メールや反ユダヤ的なメールが届き始めていて、少し怖くなってきた。だから返信に時間がかかるかもしれないことをお詫びする」と述べた。

マスクによるネットフリックス解約の呼びかけは、同社にとっては小さな逆風に過ぎず、株価と収益は順調な年を過ごしている。ネットフリックス株は年初の約886ドルから30%上昇している。7月に発表された四半期決算では、売上高が前年同期比16%増の110億ドル(約1兆6300億円)に達し、純利益も同46%増の31億ドル(約4600億円)となった。ネットフリックスは1月にすべてのプランで少なくとも1ドルの値上げを行っている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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