UNDER30世代に伝えたいこと
アシスタント時代、先輩たちの話を聞いているうちに、自分の中で悶々としていたものがはっきりと見えて、次やるべきことに自信や覚悟を持てた経験があります。人の話に積極的に耳を傾けたからこそ、他者の経験や視点に触れることで、自分の道も自然とひらけていくのだと、あの頃の私は身をもって知りました。
今ではInstagramを通じて、若い方々から「相談に乗ってほしい」とDMで声をかけていただくことが増えました。「ファッションの仕事に就きたい」「転職を考えている」「やりがいと収入、どう両立すればいい?」そんな問いにじっくり向き合い、「こんな道もあるかもしれないね」と話したり、時には信頼できる先輩や仲間を紹介することもあります。好きなことを仕事にしたいと願う若者には、思い切ってInstagramで憧れの人にDMを送ってみるのも、新しい扉を開くきっかけになるかもしれません。
私は自他ともに認める“ファッション狂”ですが、皆さんにも、心から好きだと思えるものにはとことん触れて、時には思い切って買い物もしてほしい。「なぜこれが好きなのか」「どこが自分に響いたのか」そんな問いを自分に投げかけてみると、服に限らず、良い買い物ができる精度も上がっていきます。何より、その“考える”という行為自体が楽しい。選択の積み重ねが、やがて自分だけの哲学となり、それが仕事にも、人生にも還元されていくのです。
本屋に長居する、知らない街を歩く、レコードをジャケ買いする――そんな“寄り道”も、ぜひ。今はSNSのアルゴリズムが、私たちの興味や関心にぴたりと寄り添ってくれる時代。時には自分と無関係に思える情報に出会い、「なんだか無駄だったかな」と感じることもあるでしょう。でも、実はそんな偶然の出会いこそが、新しい道への扉だったりするのです。U30のうちは、遠回りも人生の大切な財産。その一歩一歩を楽しんでください。
おおひら・かりん◎東京生まれ。雑誌「GINZA」Web「ginzama.com」「BRUTUS.web」の編集部を経て、2022年にMeta日本法人に入社。InstagramやThreadsなどMetaのプラットフォームを活用するクリエイターの支援に加え、ファッション、エンターテイメントなど様々な業界との協業プログラムの企画・実施に携わる。


