Metaの日本法人Facebook Japanで「グローバルパートナーシップ」チームに所属する、大平かりん。「グローバルパートナーシップ」では、InstagramやThreadsなど同社のSNSを中心に発信しているクリエイターを支援している。
彼女のファーストキャリアは、編集者。マガジンハウスが発行する「GINZA」の外部エディターとして活動し、いち早くメディアとして、InstagramやWebからの発信に取り組んだ。また、自身もInstagramで365日違うコーディネートを発信し話題に。
あらゆる仕事を通してヒト、モノ、カルチャーをつなげて、形にしてきた彼女にとってのクリエイティビティの原点とは?「世界を変える30歳未満」を選出するForbes JAPAN 30 UNDER 30のアドバイザリーボードを務める大平に、U30時代の話を聞いた。
クリエイティブな仕事への興味は、10代で触れていたテレビ番組「MTV」と雑誌「広告批評」から。父が写真植字(印刷用の版下を作成する専門業)の仕事をしていたこともあり、家にはポスターや雑誌が資料としてたくさん並んでいました。その中でも「広告批評」に掲載されていたCMや広告を眺めながら、「こんなに面白いアイデアを、たくさんの人に届ける仕事があるんだ」と、心が躍ったのを今でも鮮明に覚えています。
振り返れば、「MTV」で観ていたミュージックビデオも、多くの人に楽曲を届けるメディアとして、私の心を強く惹きつけていたのかもしれません。だからこそ、今でも仕事をする上で「どうすればアイデアや作品をより多くの人に届けられるか」と考える瞬間が、一番ワクワクするのです。
カルチャーと密接につながるファッション
ファッションへの入り口も、MVや映画からでした。当時はレンタルビデオ店で毎週紹介している映画や音楽を片っ端から借りていくのが楽しみでした。そこで、映画『ゴースト ワールド』に登場する主人公の服装がかわいいなとか、好きなミュージシャンが着ている服を真似したくなったり。
もちろん当時の自分にとって、憧れのブランドの服を手に入れるのは夢のまた夢。だからこそ、原宿の古着屋を隅々まで歩き回り、少しでも雰囲気の近い一着を探し出すことに情熱を注いでいました。そうしているうちに、次第に自分の「好き」がはっきりと見えてきて、ファッションそのものへの愛情も深まっていきました。
仕事をするようになってからは、ブランドものにも手を伸ばすようになり、ますますファッションの世界にのめり込んでいきます。よく足を運んだのは、セレクトショップのラブレス(LOVELESS)や、古着屋のデスペレートリビング(DESPERATE LIVING)。そこで出会った服や人々をきっかけに、ファッションデザイナーのことを調べたり、ショーで流れる音楽やコレクションの着想源となった映画を追いかけたり――知れば知るほど、ファッションの奥深さに魅了されていきました。
逆も然りで、好きな映画『フィフス・エレメント』(1997)の衣装を調べてみると、ジャン=ポール・ゴルチエが監修していることを知り、音楽、映画、ファッションが見事に絡み合い、互いに影響し合っていることに気づきました。そうやって、私の興味は際限なく広がり、ますますカルチャーに夢中になっていったのです。



