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2025.10.03 09:30

米実業家イーロン・マスクの資産が5000億ドルの大台を突破 史上初

米実業家イーロン・マスク。2024年4月13日撮影(Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic)

米実業家イーロン・マスク。2024年4月13日撮影(Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic)

米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の資産が1日、史上初めて5000億ドル(約74兆円)の大台を突破した。フォーブスの推定によると、世界で最も裕福な人物であるマスクCEOの資産は昨年12月に史上初めて資産が4000億ドル(約59兆円)を超え、世界長者番付で2位につけている米オラクルのラリー・エリソン会長を1500億ドル(約22兆円)引き離している。

テスラの株価は同日、約4%上昇し、マスクCEOの資産は約93億ドル(約1兆4000億円)増加した。同社の株価は、マスクCEOが4月の決算発表で米政府効率化省(DOGE)の長官職から退き、テスラの経営に注力すると表明して以降、ほぼ倍増している。テスラの時価総額が12月に記録した史上最高値から10%以内に回復したことで、マスクCEOが保有する同社株12%の価値は現在1910億ドル(約28兆円)に達している。

これは2018年にマスクCEOが受け取った報酬から業績連動型の株式オプションを除外した金額だ。このオプションは昨年1月に米デラウェア州の裁判所によって無効とされなければ、現在の価値は1330億ドル(約20兆円)になっていたものとみられる。フォーブスの試算では、マスクCEOのデラウェア州最高裁判所への控訴の判決が出るまでの間、これらのオプションの価値を50%割り引いている。一方、9月にはテスラの取締役会が、新たな記録的な報酬案を提案した。この案では、テスラが「火星を目指すような」業績目標を達成した場合(例えば、報酬付与期間である10年間で時価総額を8倍以上拡大するなど)、マスクCEOに最大1兆ドル(約147兆円)相当の追加株式が付与される可能性がある。

マスクCEOの富に貢献しているのはテスラだけではない。同CEOが2002年に設立した米航空宇宙企業スペースXは、今年8月の非公開入札に基づく評価額が4000億ドル(約59兆円)に達した。昨年12月には3500億ドル(約52兆円)だった。同CEOはスペースXの株式の推定42%を保有しており、その価値は1680億ドル(約25兆円)に上る。

マスクCEOは3月、自身が設立した米人工知能(AI)開発企業「xAI」と、22年に買収したソーシャルメディア(SNS)企業X(旧ツイッター)を合併し、xAIホールディングスを立ち上げた。合併後の同社の価値は1130億ドル(約17兆円)と評価されている。マスクCEOはxAIホールディングスの株式の推定53%を保有しており、その価値は600億ドル(約8兆8000億円)に上る。

20年3月にはわずか246億ドル(約3兆6000億円)だったテスラ株の急騰により、マスクCEOの資産は同年8月に史上5人目となる1000億ドル(約15兆円)を突破した。同CEOは21年1月、純資産約1900億ドル(約28兆円)で初めて世界一の富豪に躍り出た。21年9月には、米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス会長、仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノー会長に次ぐ史上3人目となる純資産2000億ドル(約29兆円)の富豪となった。マスクCEOの純資産は同年11月に3000億ドル(約44兆円)、昨年12月には4000億ドル(約59兆円)へと着実に増えていった。

このペースを維持すれば、マスクCEOは33年3月までに世界初の「兆万長者」となる可能性がある。この月は、1兆ドル規模のテスラ報酬案の2回の権利確定日の最初の期日に当たる。だが、同CEOによれば、それは金銭を目的とするものではない。同CEOは先月、Xに「これは『報酬』の問題ではなく、何百万台ものロボットを製造する場合に安全を確保できるよう、私がテスラに対して十分な影響力を持つことを目的としている」と投稿。「テスラ株を保有していない、物言う株主顧問会社から将来的に追い出される可能性があるとしたら、私はその将来に納得できない」と表明した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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