同時に、世界の中央銀行は記録的なペースで金地金の買い入れを続けている。また、WGCによると北米の金価格連動型上場投資信託(ETF)への正味の資金流入額は今年、過去2番目の大きさとなっている。他方、インドや中国をはじめとする国々では、金の小売り需要も引き続き堅調だ。世界の金購入のおよそ6割を占める「ラブトレード(金への愛着に基づく取引)」が牽引している。
10%の「黄金律」
投資家であるわたしたちには、米政府のような贅沢は許されない。際限なく赤字を垂れ流すわけにはいかないし、もちろん自分でお金を刷ることなどできない(もしできたら人生はどんなに楽だったことか)。わたしたちは身の丈に合った生活をしなければならず、収支の帳尻を合わせる必要がある。
そういうわけで、筆者はずっと金こそが「真の資産」だと考えてきた。古来、歴史上のあらゆる帝国を通じて、富を保存する役割を果たしてきたものが金なのだ。投資家のレイ・ダリオと同じく、筆者は資産の10%を金に配分することを推奨している。うち半分は金現物(コインや地金、宝飾品、金連動型ETF)に、もう半分は優良な金鉱株に投じるのが望ましい。定期的にリバランス(資産配分の調整)することも忘れないようにしたい。
繰り返すと、筆者はかつて金価格4000ドルを予測したが、すでにそこにほぼ到達している。この先、7000ドルが視野に入ってきたといまではみている。大胆な予測に思えるかもしれないが、巨額の債務に覆われた今日の状況では、それはむしろ賢明な判断ではないかとも思っている。


