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2025.10.03 09:00

金価格「7000ドル」を予測するこれだけの理由

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ほかの貴金属も見過ごすな

注目すべきは金だけではない。今年はプラチナ、パラジウムも大きく値上がりしている。米投資情報誌バロンズは最近の記事で、パラジウムが金やプラチナに対してなおかなり割安な水準で取引されていることに触れつつ、パラジウム価格は過去最高値の3400ドル超に向けて「上昇局面の初期段階」(ブルームバーグ・インテリジェンスのシニア商品ストラテジスト、マイク・マクグローン)にある可能性があると伝えている。

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記録的な債務水準の時代

こうした状況に、現在の過剰に膨らんだ、テクノロジー株主導の株式市場を重ね合わせて考えてみよう。米金融取引業規制機構(FINRA)によると、投資家が証券会社から借り入れて投機に使う資金「証拠金債務(マージンデット)」は8月、過去最大の1兆600億ドル(約155兆円)にのぼった。前年同月に比べると約33%の増加である。過去には、証拠金債務の急増に続いて市場に大規模な調整が入ることが多かった。今回も同様の暴落が起こるとは断言しないが、留意しておくべき点だろう。

米国の政府は過剰な借り入れ状態にあり、家計も過去最大の18兆3900億ドル(約2700兆円)もの債務を抱えている。さらに投資家も過度なマージン取引を続けて市場の活況を維持している。筆者の考えでは、まさにこういう時こそ金を保有しておくべきだ。

金価格は「7000ドル」の高みへ

では、金はこの先どこまで値上がりするのか。

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筆者の新たな予測は1トロイオンス7000ドルだ。ドナルド・トランプ大統領の2期目の終わり(2029年1月)までに到達する可能性もある。

理由は単純だ。債務の山はとんでもなく巨大であり、さらにどんどん積み上がっている。財政の不均衡が拡大し、金融政策は制約を受けている。FRBは金利を積極的に引き上げれば政府を破綻させてしまう一方、大幅な利下げに踏み切れば著しいドル安を招く結果になる。

筆者の見るところ、このどちらの選択肢も金価格の押し上げ要因になる。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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