そのPTAの最新作「ワン・バトル・アフター・アナザー」は、彼にとっては新境地とも言える作品となっている。上映時間は162分だが、息をもつかせぬアクションシーンが次々と続き、その長さをまったく感じさせない没入感あふれる快作となっている。
主人公のボブ・ファーガソンを演じるのは、前述の通りPTA作品に出演することを20年以上も望んでいたというレオナルド・ディカプリオ。かつては「革命」のために闘っていたが、いまは隠遁して、愛する娘と2人で静かな生活を送っているという役柄だ。
ボブは「恋人」の革命集団の闘士ペルフィディア・ビバリーヒルズ(テヤナ・テイラー)に促されるまま闘争へと身を投じ、彼女とともに移民収容所の解放を敢行する。その際、2人が対峙したのが収容所の指揮官であったスティーブン・J・ロックジョー警視(ショーン・ペン)だった。これを機に警視はペルフィディアに異常な関心を持ち始める。
ボブとともに暮らし始めたペルフィディアは妊娠しており、やがて娘ウィラを出産する。しかし革命への理想を捨てきれない彼女は、ボブと娘を置いて新たな闘争へと旅立っていく。その後何者かの裏切りにより組織は急襲され、ボブの身辺にも危険が迫る。彼は幼い娘を連れてメキシコからの移民が集まる地へと移り住む。
時は流れて16年の歳月が経ち、ボブは娘ウィラ(チェイス・インフィニティ)とともに森に住んでヒッピーのような生活を送り、「アルジェの戦い」などの映画を観て、大麻を吸い、酒を飲む日々を繰り返していた。ウィラは母親譲りの自立心の強い娘に成長しており、「センセイ」と呼ばれる師範セルヒオ・サン=カルロス(ベニチオ・デル・トロ)のもとで空手を学んでいた。
そんなうらぶれた暮らしを送る元革命の闘士を探し当てて、ロックジョー警視が乗り込んでくる。警視にはボブを捕縛する以外にも或る目的があり、ウィラを拉致して連れ去ってしまう。娘を守ることだけを自らの生きがいとしてきたボブは、センセイの助けも借りながら娘の奪還に乗り出すが、そこには驚くべき過去の因縁も潜んでいたのだった。


