世界的にもハーバードとオックスブリッジが突出、不平等への警鐘
こうした知見は、スティーブン・ブリントらがSociology of Educationに発表した6900人を対象とする研究でも裏づけられている。同研究では、米国の文化的エリートのうち1.97%がハーバード卒であり、米国の政府およびビジネスの指導層では6.3%がハーバード卒であることが示された。さらに国外でも同様の傾向が確認される。リカルド・サラス=ディアスとケビン・ヤングがGlobal Networksに発表した最近の研究では、世界のエリート約6000人のうちハーバードで教育を受けた割合は9.18%(米国サンプルでは16.19%)であった。サラス=ディアスとヤングの結果は、米国内での私たちの知見を再現している。これらの結果は、世界のエリート(約4000人のサンプル)や世界の富裕層(約1万8000人のサンプル)を対象とした先行研究とも整合的である。
サラス=ディアスとヤングはまた、オックスブリッジ、すなわちオックスフォード大学とケンブリッジ大学が、世界のエリートの間で高い比率を占めていることも示しており、これは筆者の先行研究でも確認されている。さらに最近、アーロン・リーヴスとサム・フリードマンは著書『Born to Rule: The Making and Remaking of the British Elite』(未訳:統治するために生まれた:英国エリートの形成と再構築)で、歴史データベース Who’s Whoへの掲載を手がかりとしてエリートを検討し、2022年時点の3万3000人のうち約35%がオックスブリッジ出身であり、これは英国の一般人口の1%未満と比べてはるかに高い割合であると示している。
検討に値するいくつかの解決策
これらの研究は、エリート校、特にアイビー・リーグとハーバード大学が、社会に大きな影響力を持つ人々の間でどれほど強い影響を持っているかを記録している。しかし、だからといって、それが望ましい、あるいはそうあるべき姿であることを意味するわけではない。
マイケル・ヤングは1958年に、ブルックスの議論に通じるディストピア小説『The Rise of the Meritocracy』(邦訳:メリトクラシーの法則)を著した。より古い例としてはカート・ヴォネガット、近年ではライオネル・シュライヴァーの風刺作品があり、社会が不平等に深く悩むと何が起こり得るかを扱っている。マイケル・サンデルの『The Tyranny of Merit: What’s Become of the Common Good?』(邦訳:実力も運のうち:能力主義は正義か?)や、デイビッド・グッドハートの『Head, Hand, Heart: Why Intelligence is Over-Rewarded, Manual Workers Matter, and Caregivers Deserve More Respect』(邦訳:頭 手 心: 偏った能力主義への挑戦と必要不可欠な仕事の未来)は、検討に値するいくつかの解決策を提示している。


