音楽

2025.10.03 12:30

AI歌手「ザニア・モネ」が数億円のレコード契約を獲得、これが音楽の未来か?

タリシャ・ジョーンズがAIツールで生み出したR&B歌手ザニア・モネ(YouTubeのスクリーンショット)

ザニア・モネだけではない。ヴィニ・プレイの「A Million Colors」は、TikTokのViral 50にランクインした初のAI生成楽曲だ。また、AI"バンド"のザ・ヴェルベット・サンダウンは、複数の曲で各100万近いストリーミング再生回数を記録した。こうなると、もはやAIミュージシャンを物珍しさだけで片付けてしまうことは難しい。

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AIは音楽の転換点になるのか?

AIは音楽における次の構造的移行を起こすかもしれない。音楽配信サービスが著作権使用料の計算方法を書き換えてから約20年が経過した。すでに一部の利害関係者は、ホワイトノイズのプレイリストには一般の楽曲よりも低率の使用料が支払われているのと同様に、AI生成楽曲にも減額した著作権使用料を適応するべきだと提唱している。また、AI生成音楽を主な収益分配から完全に除外することだけが、人間のクリエイターを守る唯一の方法であると主張する人もいる。

しかし、ザニア・モネの初期の成功は一つの事実を明らかにした。「人々がAI生成の楽曲を好んで聴いている」ということだ。批評家が芸術性の希釈を懸念する一方で、数百万人もの消費者が躊躇なく再生ボタンを押している。音楽レーベルにとって、この消費者行動は無視できない数値データだ。

法律制度が著作権問題の整理に取り組み、音楽産業が著作権使用料の公平性を議論している間に、タリシャ・ジョーンズは無名の独立系クリエイターがメジャーレーベルのスターたちと張り合えることを実証した。これは音楽の未来が、人間か機械かではなく、その間にあるもの、つまり人間の想像力と機械のアルゴリズムが融合した協業にあるということの証明である。

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300万ドルの賭けが成功するか、あるいは規制や業界の反抗運動で崩壊するか、それはまだわからない。だが、一つだけ避けられない真実がある。ザニア・モネはすでにこの議論の行方を変つつあるということだ。

forbes.com 原文

翻訳=日下部博一

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