2. 委任スキル
会話では、アサナのワーク・イノベーション・ラボを率いるマーク・ホフマン博士の基調講演にも触れた。
博士によれば、すでに人材への委任に慣れているリーダーやマネージャーは、AIの活用においても容易に成果を上げられる。なぜなら、AIに「委任する」方法を理解しているからである。
もしマネジメント経験が浅い場合は、委任スキルを磨くことが必須である。それは人材管理だけでなく、AI管理においても重要になるからだ。
委任スキルを学ぶためのオンライン講座:
・ダートマスカレッジ提供『戦略的リーダーシップインパクト、変革、意思決定』(Coursera)
3. 成果志向の思考スキル
リーダーは成果ベースで考える必要がある。ロジャースによれば、経営陣やリーダーシップ層は「見栄えのためにAIを使う」「流行だから導入する」といった姿勢ではなく、結果を重視したユースケース設計に注力すべきである。
「成功した結果とは何かを明確に定義してください」と彼は述べる。AIが価値を発揮できる領域や、人間とAIが協働できるワークフローを特定するために、徹底した計画を行うことが重要だ。
成果志向の思考スキルを学ぶためのオンライン講座:
・Measure What Matters提供『OKR認定資格リーダーシップと目標設定』(Coursera)
・SkillUp提供『Delivering Results With Remote Teams, SkillUp』(Coursera)
「ソフトスキル(パワースキル)」の重要度
興味深いことに、ここでは技術的リテラシーは重視されていなかった(もちろんそれは有用ではある)。焦点は「AIをどう実装するか」というアプローチであり、「どれだけコードを書けるか」や「独自のボットを作れるか」ではない。
戦略レベルで思考し行動するリーダーにとって、こうした3つの「ソフトスキル(パワースキル)」こそが差別化要因となり、競合に先んじてAI統合で最良の成果を収めるための鍵になる。


