宇宙

2025.10.01 17:00

2つの彗星と「ハーベストムーン」、流星群を楽しもう 火球も見られるかもしれない10月の夜空

2020年7月に地球に最接近したネオワイズ彗星(C/2020 F3)(Anton Petrus/Getty Images)

2020年7月に地球に最接近したネオワイズ彗星(C/2020 F3)(Anton Petrus/Getty Images)

10月の夜空では、星座たちが夏から冬へとバトンタッチする。夏の大三角が地平線の下に沈んでゆくにつれ、オリオン座とおうし座が天高く輝く。さらに今年は明るい「収穫月」の満月が昇り、2つの流星群が流れ、そして2つの彗星がやってくる。もしかすると彗星を肉眼で見るチャンスもあるかもしれない。

2025年10月の星空についてまとめた。

1. 中秋の名月と「ハーベストムーン」の満月

日時:10月6日と7日の日没後
方角:東の地平線

イタリア・モルフェッタの大聖堂の塔の間から昇る「ハーベストムーン」の満月。2024年9月18日撮影(Davide Pischettola/NurPhoto via Getty Images)
イタリア・モルフェッタの大聖堂の塔の間から昇る「ハーベストムーン」の満月。2024年9月18日撮影(Davide Pischettola/NurPhoto via Getty Images)

秋分の日に最も近い満月を、米先住民の農事暦で「ハーベストムーン(収穫月)」と呼ぶ。今年は10月7日の満月がそれだ。沈む太陽と交代するように地平線から顔を出し、やさしいオレンジ色の輝きを放つ。

前日6日は、旧暦8月15日の「お月見」の風習で知られる「中秋の名月」。明るく輝くほぼ丸い月は、土星と並んで昇ってくる。

中秋の名月と土星(国立天文台)
中秋の名月と土星(国立天文台)

2. 10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)が極大

日時:10月8日日没後~9日明け方
方角:北西の空

「10月りゅう座流星群」は小規模な流星群で、最も条件の良いときでも1時間に出現する流星は最大10個程度にとどまる。しかし、北極星近くのりゅう座に放射点があり北緯35度以北では放射点が沈まないため、他の多くの流星群と違って日没後すぐに観測が可能だ。

10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)の放射点を示した図(NASA/JPL-Caltech)
10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)の放射点を示した図(NASA/JPL-Caltech)

今年は月明かりが強く、あまり期待はできそうにないが、過去に突発的な大出現をした実績があるので備えておいて損はない。母天体の名前からジャコビニ流星群と呼ばれることもある。

3. 月とプレアデス星団が接近

日時:10月10日未明~明け方/10日宵~11日未明
方角:南の空

欠けゆく月が、おうし座のプレアデス星団と並んで夜空を移動していく。双眼鏡を使えば、月の輝きの傍らで繊細にきらめく青白い星々がよく見える。

2025年10月10日(東京:午前3時頃)の南の空(Stellarium)
2025年10月10日(東京:午前3時頃)の南の空(Stellarium)

4. 「火球」を目撃できるチャンス

時期:10月13日以降
方角:東の地平線付近

10月中旬から、活動期間の長い2つの流星群「おうし座南流星群」と「おうし座北流星群」の活動が本格化する。どちらも1時間あたりの流星出現数は数個だが、「火球」と呼ばれる明るい流星が流れやすいことで有名だ。ともに極大を迎えるのは11月に入ってからなので、今月末まで、おうし座の方向からゆっくり流れてくる明るい流星を目撃できるかもしれないチャンスが続く。星空観察をする人にとっては、嬉しいおまけになるだろう。

おうし座流星群の火球とオーロラ。米ワシントン州コルビル先住民居留地にて2015年11月3日撮影(Rocky Raybell, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons)
おうし座流星群の火球とオーロラ。米ワシントン州コルビル先住民居留地にて2015年11月3日撮影(Rocky Raybell, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)
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翻訳・編集=荻原藤緒

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