AI

2025.10.03 07:15

気を遣わない。生成AIは若い人たちの「相談相手」になれたか

Getty Images

8割超が「人には言えない悩み」をAIに相談

自己理解目的で利用した330名のうち84.2%が、身近な人には相談しにくい内容をAIに打ち明けた経験があると回答した。

advertisement

理由は、「相手に気を遣う必要がないため」が51.4%で最多となった。

次いで「手軽に相談できるため」(49.6%)、「誰にも知られない安心感があるため」(44.2%)が続き、対人関係特有の心理的負担から解放される点が大きな魅力となっているようだ。

さらに「時間や場所を問わず利用可能なため」(40.3%)、「すぐに回答が得られるため」(40.3%)といった機能的なメリットも上位に入った。一方で「多角的な視点からの提案を受けられるため」(34.5%)、「感情を挟まない分析をしてくれるため」(34.2%)、「論理的なアドバイスが受けられるため」(30.9%)といった、人間の相談相手にはない特性を評価する声も目立つ。

advertisement

 人間関係における「気遣い」は本来、相手への配慮という美徳だが、悩みを抱える当事者にとっては相談のハードルを上げる要因にもなる。「こんなことで悩んでると思われたくない」「相手の時間を奪いたくない」といった心理的障壁が、AIとの対話では存在しない。この「遠慮なく話せる環境」が、多くの人にとって自己理解の入り口として機能している。9割近くが「今後も参考にしたい」

今後、自己理解や意思決定において生成AIツールからのアドバイスをどの程度参考にしたいかを聞いたところ、「非常に参考にしたい」が25.1%、「ある程度参考にしたい」が62.7%で、合計87.8%が「参考にしたい」と回答した。

この調査結果が示すのは、生成AIが単なる作業効率化ツールではなく、自己対話を促進する存在として活用されている現実だ。特に20代〜30代という、キャリアや人間関係で悩みを抱えやすい世代にとって、判断を下さず、いつでも対話できるAIは新しい形の「相談相手」として機能している。

身近な人には相談しにくい内容でも、気を遣わずに話せる。そんな相手として、生成AIはもはやなくてはならない選択肢のひとつになっているようだ。

【調査概要】
調査対象:日常的に生成AIツールを利用する20代〜30代の男女532名
調査期間:2025年8月29日〜9月1日
調査方法:インターネット調査

プレスリリース

文=池田美樹

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事