将来何になりたいかを小学生に聞くと、プロサッカー選手やアイドルなどの夢の職業が並ぶが、目の前に就職が見えている高校生はどうか。子ども時代の夢をあきらめて平凡で退屈な方向に大きくシフトしているのではないかと心配になるが、なかなかどうして、高校生を対象としたなりたい職業アンケートから、人との触れ合いやクリエイティビティーへの高い関心、現実に根ざした夢が見受けられる。
高卒の若者のための社会課題解決企業ジンジブは、同社主催の職業体験イベント「おしごとフェア2025」に来場した高校生1746人を対象に「なりたい職業」に関するアンケート調査を実施し、そのランキングを公開した。それによると1位は「接客職」、2位は「ものづくり職人」、3位は「イラストレーター」となった。

接客職は、アルバイトを通じて人とのコミュニケーションを楽しむ傾向が背景にあるとジンジブは考えている。また、ものづくり職人は、手を使った創造的な作業への関心と安定して働ける職種として人気が高いのだそうだ。イラストレーターは、SNSなどのデジタルメディアの普及により活躍の場が広がり、自己表現を職業として考えることが現実的になったことを示唆している。

なりたい職業とは別に「働きたい業界」を尋ねると、1位は「製造・ものづくり業界」、2位は「宿泊・飲食・観光業界」。3位は「サービス業界」となった。まさに、今、人手不足や後継者難で苦しんでいる業界ではないか。若い人たちがそこで働くことを夢見ているとは、なんと頼もしいことか。高校を卒業して就職を考えている若者たちだけに、これは単なる憧れではない。インバウンド需要の高まりから、彼らは観光業を安定した業界と期待している。また製造業のことは、安定性に加えて「成長性」のある業界と捉えている。ちゃんと考えたうえでの結論だ。

ただし不安もある。もっとも大きな不安は希望どおりの進路に進めるかどうかだが、それに続いて「自分のやりたいことが見つかっていない」、「自分に向いていることが見つかっていない」、「何をするべきかわからない」、「夢や目標、目標にしたい人がいない」といった若者らしい迷いが大きい。
ジンジブは、アルバイトなどで体験した仕事に関心を持つ傾向を受け、企業が高校生向けのアルバイトやインターンシップなどを積極的に受け入れることで、ランキング下位の職業にも若者たちを呼び込むことができる可能性があると指摘している。また、自分の特性や趣味を理解する、自己理解を深めるためのサポートや、それにもとづく進路情報の提供なども重要だと話している。



