北米

2025.09.30 11:30

トランプ、再び「外国映画に100%関税」を表明

Leon Neal/Getty Images

Leon Neal/Getty Images

ドナルド・トランプ大統領は米国時間9月29日、トゥルース・ソーシャルへの投稿で「米国外で制作されたあらゆる映画」に100%の関税を課すと発言した。これは2025年5月のものと同様の発言であり、他国に「奪われた」と主張するハリウッド映画産業を後押しする狙いがある。

29日朝の投稿でトランプは、映画産業は他国に「奪われ」、その結果「長年続く終わりのない問題」を引き起こしたと述べた。

彼はこうした関税がどのように機能し、実施されるのかについて詳細を示さなかった。

トランプはさらに「弱く無能な知事を抱えるカリフォルニアは特に大きな打撃を受けている」とも発言し、長年の政敵であるギャビン・ニューサム知事を批判した。

トランプは2025年5月にも「外国で制作されたあらゆる映画」に100%の関税を課すとの投稿をしていた。当時も、外国が米国から映画製作者やスタジオを「引き離そうとしている」と証拠のないまま持論を展開し、それを「国家安全保障上の脅威」と呼んだ。また、外国で制作された映画を「メッセージングとプロパガンダ」と表現したが、やはり具体的な説明はなかった。

大統領は商務省と通商代表部に関税を課すよう指示すると述べたが、関税の仕組みについては再び詳細を明かさなかった。なお、トランプが最初に関税の脅しをかけた直後、ニューサムはハリウッド映画産業を強化するために連邦政府との協力を提案し、米国内での撮影を促進するために750億ドル(約11兆1500億円)規模の税額控除を打ち出した。

これら新たな関税がどのように機能するのかは不明だ。たとえば、米国のスタジオが資金提供していても全編を海外で撮影した映画や、一部のみを海外で撮影した映画に適用されるのかどうかは分かっていない。多くの大作ハリウッド映画は、ジョージア州のような州の税額控除を利用するためにカリフォルニアから移転しており、場合によっては外国で撮影されている。

今年の米国国内興行収入で首位の映画は、米国制作(ワーナー・ブラザーズ)の『マインクラフト/ザ・ムービー』で、大人気ゲームを原作としているが、撮影は主にニュージーランドで行われた。ニュージーランド映画委員会によれば、この映画は同国政府のリベート制度を利用したという。2位のディズニー作品『リロ&スティッチ』はハワイ・オアフ島で撮影された。その他、作品の舞台が米国外に設定されている場合には現地での撮影が行われるケースもある。国内興行収入で3位の『スーパーマン』は主にオハイオ州で撮影されたが、南極にあるスーパーマンの「孤独の要塞」を描くためにノルウェーでも撮影が行われた。

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翻訳=江津拓哉

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