暗号資産

2025.09.29 17:00

「2030年までにFRBはビットコインを保有するようになる」、ドイツ銀行が予想

VCG/VCG via Getty Images

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ビットコイン価格はここ数カ月、上昇の勢いが止まっている。

先月、ビットコイン価格は12万4000ドルを突破したが、その後暴落への懸念が広まったことから下落し、暗号資産トレーダーたちを不安に陥れた。

現在、ウォール街の大手であるドイツ銀行のアナリストたちは、ビットコインが近くFRBのバランスシートにおいて金と肩を並べる可能性があると予測している。

「長らく金が標準的な代替資産だったが、2025年3月にトランプ政権が米国の戦略的準備資産を設立するという画期的な決定を下したことで、中央銀行が準備資産としてビットコインを保有するという議論が再燃した」と、ドイツ銀行リサーチ・インスティテュートのリサーチアナリストであるマリオン・ラブールは、CNBCが確認したメモに記した。

ラブールは「2030年までに中央銀行のバランスシート上で金とビットコインが共存する余地があると結論づける」と述べた。

ビットコイン価格と金価格は今年急騰しており、金の時価総額は25兆ドル(約3721兆円)に達し、ビットコインも2兆3000億ドル(約343兆円)を超えた。

先週、金は新たな最高値を更新し3700ドルを突破した。世界各国の中央銀行が準備資産を積み増す一方、米ドルは弱含みとなり、ドナルド・トランプ米大統領の通商政策が既存の金融秩序を揺さぶっている。

ビットコイン価格と暗号資産市場は、2024年11月のトランプ大統領選勝利を受けて急騰し、さらに3月に米国がビットコインの戦略備蓄を創設すると発表したことが価格を押し上げた。

ビットコイン備蓄の創設を求めたトランプの大統領令は詳細に乏しかったが、スコット・ベッセント米財務長官は8月、トランプ政権が財政中立的な方法でこれを実現することに尽力していると確認した。

ベッセントはXに「財務省は、準備資産を拡大するためにより多くのビットコインを取得する財政中立的な手段を模索すること、そして米国を『世界のビットコイン超大国』にするという大統領の約束を実行することに尽力している」と投稿した。また「最終的に連邦政府に引き渡されたビットコインこそが、トランプ大統領が3月の大統領令で設立した戦略的ビットコイン備蓄の基盤だ」と述べた。

一方、トレーダーがFRBの9月の利下げや、10月の追加利下げの可能性を示唆する経済データを消化するなかで、先週ビットコイン価格は下落した。

ザポ銀行の投資責任者ガディ・チェイトはEメールの中で、「FRBによる利下げの後、先物ポジションはリセットされ、流動性は市場に戻った」とコメントした。

彼はさらに「結局のところ、長期投資家にとっては、こうした変動はビットコインの通常のリズムの一部だ。そのネットワークは依然として最も安全であり、小売・機関投資家の双方で採用は広がり続けている。ビットコインはここに残る存在であり、その次の章は始まったばかりだ」と付け加えた。

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翻訳=江津拓哉

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