小山:夢ありますね!ほかに書店を活性化させる取り組みとして考えていることはありますか。
大垣:書店のなかに、読む場所や学ぶ場所もつくれないかなと思っています。「教育」という言い方は大袈裟かもしれませんが、生涯学習の場として書店が機能できるのではないかと。ちょうどこの6月、二条城店に自習・読書ルーム「講」をオープンしたんです。利用料は1時間500円から。館内のスタバやゴンチャの飲み物も持ち込み可能です。
小山:いいですね。家電や家具などと一緒に本を売ることは検討しないのですか?
大垣:それはうちでやる必要がないというか、ほかにもっといい店がありますから。やはり本屋は本を売ることを極めていかないと、と日々、自らを鼓舞しています。
今月の一皿
大垣氏の思い出の店「たん焼 忍」の「ゆでたん」。箸で切れるほど軟らかく、味付けは塩胡椒にワサビのみという逸品。

blank

都内某所、50人限定の会員制ビストロ「blank」。筆者にとっては「緩いジェントルマンズクラブ」のような、気が置けない仲間と集まる秘密基地。
大垣守可◎1988年、京都府生まれ。佛教大学卒。東京の出版社で雑誌編集などを経験後、2016年に大垣書店へと転職。21年、書店、カフェ、印刷工房、ギャラリーなどを併設する「堀川新文化ビルヂング」(京都・西陣)をプロデュース。29年、取締役に就任。
小山薫堂◎1964年、熊本県生まれ。京都芸術大学副学長。放送作家・脚本家として『世界遺産』『料理の鉄人』『おくりびと』などを手がける。熊本県や京都市など地方創生の企画にも携わり、2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務める。


