精巧な尾と角を進化させた、恐るべき捕食者
世界では多くの種のヘビが、複雑な形の尾を進化させてきた。例えば、同じくクサリヘビ科であるガラガラヘビの尾の動きは、脊椎動物の運動のなかでも最速の部類だ。
ガラガラヘビは、尾の先にある、ゆるく結合したケラチン質のうろこを振動させ、ぞっとするようなノイズを発生させることで、捕食者に引き下がるよう警告する。振動音の周波数を調整することもでき、捕食者が無謀にも近づいてきたときは、ピッチを上げて警告する。
だが、クモオクサリヘビは、すべてのヘビのなかでもトップクラスの、精巧に進化した尾をもつ種の一つと考えられている。
クモオクサリヘビは、岩場ややぶに潜み、昆虫食の鳥を狙う。ヒバリやムシクイだけでなく、ハヤブサなどの猛禽類さえも標的だ。岩の隙間は、狩りの際に身を隠すのに好都合なだけでなく、酷暑の夏の時期にも湿度が保たれる、貴重な休息の場でもある。
この種は時に「ニセツノクサリヘビ」とも呼ばれるが、これは頭頂部のうろこが2本の「角」のように隆起しているためだ。角には、頭部の輪郭をわかりにくくして獲物を混乱させる効果があり、もともと見事なカムフラージュの完成度をさらに高めている。
砂漠に生息するクサリヘビには、ツノスナクサリヘビ(学名:Cerastes cerastes)やホーンドアダー(学名:Bitis caudalis)など、頭頂部に角をもつものが多い。一方、森林性のヘビは、ガボンアダー(学名:Bitis gabonica)のように、鼻先に角を進化させる傾向にある。


