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2025.09.30 10:30

「スターリンクフォン」誕生の可能性、スペースXが専用周波数帯を2.5兆円で買収

超大型宇宙機スターシップからスターリンク衛星がリリースされるイメージイラスト(c)SpaceX

容量は100倍以上、スループットは20倍

専用カートリッジに積層されたスターリンク衛星(V2mini)(c)SpaceX
専用カートリッジに積層されたスターリンク衛星(V2mini)(c)SpaceX

この仕様変更によって、スターリンク衛星も現行のV2 miniからV3へと移行する。V3はV2 miniよりもDTCの容量が100倍以上に拡大し、スループット(データ転送量)においては20倍に向上するという。また、スペースXはこの新システムを構築するため、9月16日に米国の規制当局であるFCC(米連邦通信委員会)に対し、最大1万5000基の新型スターリンク衛星(V3仕様)を追加で打ち上げる認可を申請した。スターリンクのサービスはスマホを対象としたDTCと、専用アンテナを必要とするブロードバンドの2種があるが、今回追加申請されたV3仕様のスターリンク衛星は、すべてその双方に使用できるハイブリッド仕様とされる。スターリンク衛星は現時点(執筆時)で軌道上に8475基があるが、スペースXはこの追加申請によってトータル4万9396基の打ち上げを目指すことになる。

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スターシップからリリースされるスターリンク衛星のイメージイラスト(c)SpaceX
スターシップからリリースされるスターリンク衛星のイメージイラスト(c)SpaceX

さまざまな機能が拡張されるV3は、V2 miniと比べてその質量が3.2倍(1900kg前後)になると思われ、その重い衛星を打ち上げるには現在開発中の超大型宇宙輸送機「スターシップ」の使用が想定されている。8月26日に行われたスターシップの10回目の飛行テスト(IFT 10)では、スターリンク衛星のダミーを宇宙空間に放出することにも成功した。しかし、これまでの飛行テストはすべて地球周回軌道に乗らない弾道飛行によるものであり、地球周回軌道に投入されるのは2026年前半(IFT 13以降)になると予想される。こうしたスケジュールを鑑みれば、一定数の新型スターリンク衛星を軌道上に配置し、今回購入した専用周波数帯でDTCサービスを開始するには、少なくとも3年以上を要すると思われる。

利息20億ドルもスペースXが肩代わり

スペースXがエコスターから購入した周波数帯は、PCS-H(上り1915 – 1920 MHz、下り1995–2000 MHz)の計10 MHzと、AWS-4(上り2000 – 2020MHz、下り2180 – 2200MHz)の計40MHzであり、トータル50MHzの帯域幅となる。この2つを合わせれば連続した周波数の利用が可能になる。

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編集=安井克至

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