正直に言おう。人は仕事を辞めるのではなく、ダメな上司の元を去るのだ。
米世論調査ギャラップの「米国人マネジャーの現状」レポートによると、他人をうまく管理する天賦の才能を持つ人は10人に1人しかいない。つまり、ほとんどの人がリーダーではなくマネジャーの下で働いており、それが数字に表れているのだ。優秀なマネジャーは稀であり、そのようなマネジャーの下で働くと、それを実感することができる。
そこで「本物のリーダーの下で働いていることをどうやって知り得るのか」という疑問が湧く。以下にあなたが優れた上司のもとで働いているという幸運を得ていることを示すいくつかのサインを紹介しよう。
1.管理せず指導する
上司が部下の行動を細かく管理したり干渉したりすると、イノベーションはなくなる。優れたリーダーはこのことを知っている。
米経営学誌ハーバード・ビジネス・レビューによると、一流のリーダーは単に監督するだけでなく、個々に管理する。つながり方や指導の仕方、潜在能力の引き出し方を理解している。あなたにつきまとって小言を言うのではなく、あなたが自由に行動できるようにする。
グーグルが社員を対象に実施した調査「プロジェクト・オキシジェン」がこれを裏付けている。有能な上司はチームに力を与え、強みに基づいたフィードバックを提供し、そして部下を信頼して実行させる。「なぜこれができていないのか」ではなく、「成功するためには何が必要か」といった質問をするのだ。前者は燃え尽きを助長し、後者は忠誠心を育むという大きな違いがある。
2.あなたの長所を見い出す
最高のリーダーは才能を引き出して開花させる専門家のようなもので、あなたを信じて信頼し、あなたの最高の部分を引き出すことを望んでいる。
前述のギャラップのレポートによると、強みに焦点を当てるリーダーの生産性は12.5%高く、チームのエンゲージメントを6倍高めている。真のリーダーは、あなたを修正しようとせず、あなたの才能に投資する。
上司があなたの強みを生かした仕事をあなたに割り当て、成功するためのポジションを与え、あなたの「優れた才能の領域」を称賛したら、それは運ではない。正しいリーダーシップだ。
3.自分はリソースではなく、人間なのだと感じる
人は自分の話に耳を傾けてもらいたいし、敬意を払われていると感じたいものだ。評価されていると感じれば、それ以上のことをするようになる。そうでない場合、人はやる気をなくし、転職しようと履歴書を入念に見直す。
人は交換可能な部品ではない。リーダーが従業員のやる気を引き出す方法を見つけると、業績が上がる。認められ、敬意を払われ、属していると感じられる職場文化をつくることは効果的だ。
作家のザック・マーキュリオはこれを「重要性の心理学」と呼んでいる。もしリーダーがあなたの名前と目標を知っていて、今日の調子はどうかと聞いてきたら、それは重要なことだ。単なる世間話ではなく、燃料となる。
4.学ぶ謙虚さと勇気を備えている
リーダーシップとは、常に正しいことでも、自分の意見を押し通すことでもない。最も自己認識を持っていることだ。
優れたリーダーはチームを勝利に導き、人前で褒め、議論はプライベートに行う。また、責任をとり、間違っているときにはそのことを認め、フィードバックを求める。一流のリーダーは正直で一貫性があり、価値観を原動力として行動することで心理的な安全性をつくり出し、信頼を築くよう努めている。彼らはエゴではなく、目的に従う。



