1. 点数制は関係を危険にさらす
研究では、一方のパートナーで取引志向が強まると、関係の満足度が低下することが一貫して示された。最も注目すべきは、これは短期的な落ち込みではなかったことだ。カップルの片方が「貸借対照表」を作成する点数制を取った場合、2年後でも満足度が低いままのカップルがいた。
言い換えると、点数制は2人の関係の力学に驚くほど長期的な影響を及ぼす可能性がある。このことは、ほとんどの人がすでに本能的に感じ取っている「相手の動向をチェックし続けると互いの神経をすり減らし、その結果、関係が総じて疲弊する」という考えを裏付けるものだ。
どちらか片方でも点数をつけ始めると、全体的に満足度が低くなる
また、アプローチという点においてカップルの相性がいいかどうかは問題ではなかった。互いの点数が同じように高くても低くても、2人の満足度は変わらなかった。どちらか片方でも点数をつけると、全体的に満足度が低くなり、関係は損なわれるようだ。
しかし興味深いことに、この効果は双方向的なものではなかった。関係に満足していなくても点数をつけ始める可能性は高くならなかった。その代わり、矢印は一方向で、点数制は不満につながるが、その逆のパターンはなかった。
重要なのは、点数制をすでにうまくいっていない関係の単なる症状として片付けることはできないということだ。むしろ、このデータは点数制が独立した要因、つまり積極的に問題を引き起こす要因であることを示唆している。
2人の関係がストレスに満ちたものになる
点数制が実際の生活でどのように機能しているかを考えると、これらの結果は完全に理にかなっている。カップルの片方が、食器洗い機に最後に食器を並べたのは誰か、食料品の買い物をしたのは誰か、今月はどちらが多く稼いだかを常に指摘していれば、関係は即座にストレスに満ちたものになる。
その結果、無条件の愛情に満ちているはずの関係が競争へと変わってしまう。幾度となく繰り返されると、「どちらがより多くのことをしたか」という些細な指摘さえ由々しき事態を引き起こしかねない。仕事やビジネスのライバルがそうであるように、あなたは疲れ果て、評価されていないと感じるに違いない。


