北米

2025.09.28 09:00

ゆっくりと、それから一気に──アメリカが「アメリカ」でなくなる日

各国に対する「相互関税」なる一方的関税の税率を記したボードを得意げに掲げるトランプ米大統領。2025年4月2日、ホワイトハウスのローズガーデンで(Chip Somodevilla/Getty Images)

「MAGA(米国を再び偉大に)」の世界の思想的基盤は、そう呼べるものがどのくらい存在するかはともかくとして、これらとほとんど見分けがつかない。たとえMAGAが本格的な産業政策を実行しなくとも、これ自体が問題だ。

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筆者はここで、純粋にイデオロギー的な主張をしているのではない。

アメリカはすでに偉大だった

言うまでもなく、社会主義や共産主義はひどいものだ。経済的・政治的自由に基づき、限定された政府(小さな政府)によって守られた自由企業システムのほうが、はるかに優れている。米国は、その理想を完全に体現したことは(もしかすると一度も)なかったとしても、比較的それに近い状態を保ってきた。

米国には、たとえば輸出入銀行のような機関も存在するものの、この国の経済は引き続き主に民間企業を基盤としている。たしかに米国政府も補助金を拠出しており、それが多すぎると批判する人もいるが、ほとんどの民間企業は補助金に依存していない。利益をあげるために、政治家のご機嫌取りをしなくてはいけないような企業は少ない。

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民間システムに有利なバランスが適度に維持される限り、米国が多くの人から好かれる理由となっている本質を失うことはないだろう。米国は限界に達する時まで、たくさんの債権者や偽りの友人に耐えることができる。

もちろん、大きな問題は、逆方向にバランスが傾きすぎてしまう「転換点」がどこなのか、誰も正確にはわからないことだ。

アメリカはアメリカであり続けなくてはならない

ここ数カ月の間に、ドナルド・トランプ米大統領は、雇用統計の数字が気に食わないという理由で労働統計局の局長を解任し、現在の金利水準が気に入らないために連邦準備制度理事会(FRB)の議長を解任すると脅してきた(別の理事の解任も試みている)。トランプ政権は、ホワイトハウスの意に沿わない決定をした企業の経営者に対し、連邦政府の権限を用いて公然と威嚇しているほか、民間企業の株式の取得も相次いで行っている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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