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2025.09.28 16:00

「キモっ」文化が恋人関係に発展する芽を摘む──心理学者が指摘する「2つのパターン」

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「イック」(キモっ)によって私たちが失うもの

通常、自己調整によって人は自分の価値観に沿って行動し、行動の一貫性を保つことができる。しかし拒絶されるのを避けるために常に自分を修正しているとしたら、それは間違った目的のために自制心を行使していることになり、本当の自分として行動するのではなく印象を管理することになる。

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これは2つの重要な結果をもたらす。

純粋につながる能力が低下する

両者が判断を避けるために自分を繕っていると、どちらも目の前にいる人の本当の姿を見ることができない。そのため、信頼や真の感情的なつながりが形成されなくなる。

自己調整力とウェルビーイングが低下する

拒絶を避けるため、あるいは本当の自分を覆い隠すためだけに自制心を働かせることは逆効果になりかねない。対照的に、誰かが自分の行動を適切に調整しながら偽ることなく行動するとき、自制心と自己信頼性は互いに強化される。これは自信と社会的つながりを向上させるポジティブな循環を生み出す。

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イックが主な要因である場合、自己調整を自己検閲のツールに変えてしまう危険性がある。真のつながりや親密さは完璧主義や回避の重圧の下では育たない。

欠点を見つけることに集中すればするほど、自分の癖や弱さを抑えることになる。やがてこの習慣的な判断はデートを本当のつながりを発見する機会ではなく、可能性の逸失にしてしまう。

不完全さを受け入れる

イック文化のために人は人間の複雑さを考慮することを忘れているかもしれない。恋愛関係は白か黒かではない。常にグレーゾーンがあり、成長と変容が起こりうる余地がある。

人は時間の経過とともに進化し、異なる姿を見せることができる。それは多くの場合、交際のプロセスそのものを通じてだ。

例えば、パートナーの習慣が気に障ったとき、あなたは反省し、適応する機会を得る。同様に、パートナーからのサポートやフィードバックは忍耐を練習したり、不健康なパターンを捨て去ったり、あるいは自分の中の今まで認めていなかった部分を発見したりすることを促す。これは、相手の可能性のために付き合う相手を選ぶという意味ではないが、一緒に進化するためにオープンであることが重要だということだ。

真の親密さはグレーゾーンで育まれる

相手に「あって欲しくない」ことを知ることは有用だ。だがそれが支配的なレンズになってしまうと、つながりや成長が生まれるチャンスを得る前に、表面的な理由で人を除外してしまう危険性がある。

真の親密さはグレーゾーンで育まれるものだ。そこでは不完全な部分が許せないものではなく、理解し、時には交渉し、最終的には共に成長することを呼び込む場となる。

かつては嫌悪感を抱いていた癖が愛おしいと思えるようになるかもしれず、よりオープンで思いやりのある自分になるための挑戦になるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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