Airbnbと共に考え続けてきた理想的な宿泊体験
このユーザー起点のアプローチを可能にしたのが、思想の基盤となっているAirbnbというプラットフォーマーならではの特殊な立ち位置だ。Airbnb Japanでビジネスディベロップメントを担当する執行役員の森厚雄氏は、「Airbnbは世界で800万件以上の物件を扱っていますが、ひとつも所有していません。不動産を持たないからこそ、柔軟な発想ができる。マーケットのニーズから逆算して、理想的な宿泊体験を設計できるんです」と、その優位性を語っている。
「そもそも訪日外国人の旅行スタイルは『少人数・短期滞在』から『グループ・長期滞在』へと根本的に変わっています。東京では5人部屋の需要が急増し、稼働率はほぼ100%。世界中で『地域性や人の温かみがある建物』に人々が惹かれるようになってきているんです」
つまり、従来の日本の画一的なホテルでは、もはや多様化する旅行者のニーズに応えられない。そこでAirbnbが追求してきたのが、「提供したい宿泊体験」に軸足を置いた居場所づくりだった。

運営を担うカソクの代表・新井恵介氏は、Airbnbというプラットフォームを活用しながらアパートメントホテル運営し、そこで蓄積したデータを基に、従来のホテル像を根底から見直そうと試行錯誤してきた。
「アパートメントホテルのキッチン利用率は65%。半数以上のゲストが実際に料理をしています。3世代12名で旅行に来て『ビジネスホテルだと8室取らなきゃいけなかった』という声もよく聞こえてくるんです」(新井)


