アメリカン・ウイスキー以外も関税の影響で減少
カナディアン・ウイスキーは、バーボンに次ぐ規模で、米国ウイスキー販売の28.7%を占める。こちらは数量で4.6%減、売上高で4.0%減であった。
ブレンデッド・スコッチ・ウイスキーは数量で8.7%減、売上高で8.6%減、シングルモルト・スコッチ・ウイスキーは数量で4.1%減、売上高で5.2%減であった。
アイリッシュ・ウイスキーは数量で6.5%減、売上高で9.3%減となった。アイリッシュ・ウイスキーは米国ウイスキー販売の7.6%を占め、ブレンデッド・スコッチの7.5%、シングルモルト・スコッチの2.5%と比肩する。数量ベースでは、アイリッシュ・ウイスキーはスコッチ全体の約75%の数量を販売しており、売上高ベースではスコッチの半分強にとどまる(ここではスコットランド産とアイルランド産のウイスキーをどちらもスコッチと呼んでいる)。
関税問題が、米国における海外産ウイスキーの販売に明確な影響を及ぼしたことは間違いない。アイリッシュ・ウイスキーは、販売の重心がより若年層に偏っていることも相まって、相対的に大きな影響を受けた可能性がある。
循環的な調整局面で次の成長を待つウイスキー市場
総じて、米国のウイスキー市場は、数量で約4.9%、売上高で5.1%の大幅な減少となった。バーボンは数量・売上高ともに約1.5%の減少にとどまり、アメリカン・シングルモルトは増加した。
これは崩壊ではなく、「循環的な調整局面」だ。業界は過剰な樽在庫と過度なプレミアム化の是正に取り組む一方で、消費者は価格やスタイルの嗜好を再調整している。今後は、ボトリングの小ロット化、価格面での規律強化、ターゲットを絞ったイノベーションが進むとみられる。
ブランド力と品質が強い分野は底堅く成長を牽引
他方、ブランド価値と品質が最も強い分野、特にバーボンや、成長が最も速い分野、主にアメリカン・シングルモルトでは、底堅さが期待できる。ウイスキーはこれまでにもはるかに厳しい浮き沈みを乗り越えてきた。在庫が正常化すれば、価値志向のバーボンと個性際立つアメリカン・シングルモルトが次の成長局面を牽引し、より健全な基盤から成長が再開すると見込まれる。


