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2025.09.29 12:30

優秀だが「職場をかき乱す」有害な従業員、その手口とリーダーの対処法

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チームに優秀な人が必要であることに議論の余地はない。だが、そのためにどれだけの代償を払うだろうか。有害なハイパフォーマーは結果を出してあなたを圧倒するかもしれないが、あなたのチームの信頼や士気、生産性、心理的な安全性が損なわれるという目に見えないかなりの代償を伴う。

しかし現実に目を向けると、ほとんどのリーダーは「彼らを失うわけにはいかない 」と感じ、有害なメンバーがチームにいることを無視しがちだ。だが、実のところは有害な人を維持する余裕などないのだ。

米経営学誌ハーバード・ビジネス・レビューは「すばらしい仕事ぶり」を装った職場での有害な行動は組織が成功するための劇薬だと強調した。このような破壊的な従業員があなたが思っている以上に厄介な存在である理由と、成果やチームメンバーのウェルネスを損なうことなく有害な従業員がもたらす混乱に対処する方法を解き明かしていこう。

有害な人とその手口を見抜く

心理学では、最も信頼できる将来の行動の予測要因は過去の行動だとよく言われる。同じことが有害なハイパフォーマーの特徴的な動きにも当てはまる。彼らのやり方がわかればそれを見抜くのは簡単で、止めるのも容易になる。以下、有害なハイパフォーマーのタイプをいくつか挙げ、彼らがもたらすカオスについて説明する。

・言葉で攻撃する人

ここで言うのはコミュニケーションの仕方における「厳しい愛情」や「率直さ」だけの話ではない。言葉で攻撃する人は人前で恥をかかせたり、品位を落としたり、批判したり、また威圧したりして他人を支配しようとする。彼らの目的は単純で、恐怖心を植え付け、チームメイトを常に麻痺状態に陥れ、怖くて発言できないようにすることだ。

・意図的に噂を広める人

「聞いた?」などと言って意図的に噂を広める人は、ゴシップそして少数の人と組むことでのさばる。彼らの力は、根拠のない噂によってチームに不信感と分裂を植えつけることに依存している。人々が本当だろうかと「不思議」に思うようなもっともらしい種を蒔くのだ。その結果はどうかというと、チームが互いに信頼しないばかりではない。協力するのではなく、互いを勘ぐるようになる。教師でコーチのグレン・エヴァン・マーティンがブログサービスMediumに『13 Traits of Toxic Teammates』とのタイトルで述べているように、「ドラマはただ起こるのではない。人はコントロールするためにそれを仕組む」のだ。

・人の手柄を盗む人

自分のアイデアが盗まれ、盗んだ人のものとして世に出るのを見ることほど納得がいかないことはない。脚光泥棒は他人の手柄を横取りすることを得意とする。彼らはあなたのアイデアを面と向かって批判した後、あなたを騙してあなたのアイデアを自分のものにする。彼らが栄光に浸っている間、あなたは怒り心頭に発する。よくありがちなこの策略ではチーム内に深い憤りが広がり、信頼関係を破壊し、コラボ作業が停止してしまう。

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翻訳=溝口慈子

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