サイエンス

2025.09.27 18:00

長さ5cm、世界最長の毒牙──アフリカ大陸の巨大毒ヘビ「ガボンバイパー」

Shutterstock.com

Shutterstock.com

ガボン(ガブーン)バイパー(学名:Bitis gabonica)は、おそろしい夜行性のヘビだ。サハラ砂漠以南のアフリカに分布し、とりわけ熱帯雨林、サバンナ、農地に生息する。体長は4~6フィート(約120~180cm)に達し、体重は大きいもので25ポンド(約11kg)にもなるこのヘビは、アフリカ大陸における最重量級の毒ヘビだ。

ガボン(ガブーン)アダーとも呼ばれるこのヘビは、ネズミなどの齧歯類、シャコ属などの鳥類、ウサギやマングースなどの小型哺乳類をはじめとする、小型から中型までの幅広い動物を獲物にする。まれにだが、小型のアンテロープ(レイヨウ)を狙うことまである。

かなり長い三角形の頭部と細い首をもつこのヘビは、どことなく矢のような形をしている。このたとえは的を射ている――このヘビは空腹になると、冷静に狙いすましたやり方で獲物を攻撃するのだ。

ガボンバイパーは、見事なカモフラージュに頼って狩りをし、油断している獲物に、信じがたいスピードと精度で襲いかかる。ヘビ界最速の攻撃者というわけではないが、爬虫類学者がヘビ界最長と見なす毒牙を通じて大量に注入される強力な毒で、獲物を確実かつ迅速に仕留める。このヘビは、自らの生息環境で極めて効率よく狩りをする捕食者なのだ。

次ページ > 1. ガボンバイパーは、おそろしく見つけにくい

翻訳=梅田智世/ガリレオ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事