3. 獲物に深く食いこむ巨大な毒牙
おそらく、ガボンバイパーに関して最も有名でおそろしい事実は、世界最長の毒牙を持つ毒ヘビということだろう。
25セント硬貨を2枚並べてみてほしい――そうすると、全体の長さはきっかり2インチ(約5cm)になるはずだ。まさにそれが、ガボンバイパーの毒牙の長さだ。このヘビが、これほど長い牙があるのに口を閉じていられる理由は、牙の格納性が極めて高いことにある。このみごとなデザインの毒牙のおかげで、獲物に深く毒を注入し、素早い攻撃で確実に仕留めることができる。
この途方もない長さの毒牙と、大量の毒を注入できる能力の組み合わせは、大きめの動物といえども、ひとたび咬まれたらほとんど助かるチャンスはないことを意味する。
そうしたおそるべき適応にもかかわらず、ガボンバイパーは、いくつかの近縁種とは異なり、人間にとってはそれほど脅威ではない。極めておとなしい性質であり、踏みつけられたりあからさまに挑発されたりしないかぎり、威嚇の音を出したり攻撃の兆しを見せたりすることはめったにない。
このヘビは現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「危急種(Vulnerable)」に分類されている。これは主に生息地の喪失が理由だ。
サハラ以南のアフリカには、世界に残る熱帯雨林のおよそ4分の1が存在しているが、大規模な森林破壊と、農地への土地転換に直面しており、それがガボンバイパーの自然な生息環境を脅かしている。熱帯雨林の縮小に伴い、このユニークなヘビをはじめ、森に頼って生きる多くの種の個体数も減少している。


