ビットコインと暗号資産の価格は、2025年に急騰した後、ここ数カ月は停滞している。ビットコイン価格が暴落する可能性があるのではないかと、トレーダーたちが懸念しているためだ。
ビットコイン価格は5月以降、横ばいで推移し、8月に12万4000ドル(約1835万円。1ドル=148円換算)のピークをつけたのち下落した。これはテスラの億万長者イーロン・マスクが37兆ドル(約5476兆円)規模の厳しい警告を発したこととも重なっている。
そんな中、ウォール街の大手モルガン・スタンレーは2026年にビットコインと暗号資産の取引提供に向けて準備を進めている。
「2026年前半を目標に、イー・トレード(モルガン・スタンレー傘下のオンライン証券)の顧客向けに、パートナーとの提携を通じて暗号資産取引を提供する準備を順調に進めている」と、モルガン・スタンレーのウェルスマネジメント責任者を務めるジェド・フィンはCNBCが確認したメモで述べた。さらに「顧客に暗号資産取引の機会を提供するのは氷山の一角にすぎない」と付け加えた。
モルガン・スタンレーの広報担当者がロイターに語ったところによれば、ローンチ時の対応通貨は、ビットコイン、イーサリアム、ソラナになるという。
モルガン・スタンレーは、ウォール街大手の中でも特にビットコインと暗号資産に強気であり、2024年8月にはビットコインの上場投資信託(ETF)を提供開始した。同社は、デジタル資産向けインフラを提供するゼロハッシュとの提携を通じてイー・トレードでの暗号資産取引を実現する。
暗号資産取引やトークン化の機能、ステーブルコインのインフラなどを金融機関に提供するゼロハッシュは今週、インタラクティブ・ブローカーズが主導する資金調達ラウンドで1億400万ドル(約154億円)を調達し、その評価額は10億ドル(約1480億円)となったとフォーチュンが報じた。
ウォール街によるビットコインと暗号資産の採用は2023年に始まった。世界最大級の金融機関から現物ビットコインETFを組成するための申請が相次ぎ、その勢いが規制当局を押し切った形だ。
ブラックロックの現物ビットコインETFは2024年初頭にウォール街で急速に拡大し、史上最速で成長するETFとなった。現在、同ETFは約75万ビットコイン(約13.2兆円相当)を保有している。
約10兆ドル(約1480兆円)の総運用資産をもつブラックロックは、2023年に待望の現物ビットコインETFを市場に導入するウォール街の動きを主導した。同社が運用するビットコインETFのiShares Bitcoin Trust ETFは、2024年1月に立ち上げられた一連のファンド群の中で支配的存在となった。



