自分が大切にされ、ありのままの自分を受け入れてもらえると知って安らげる──。恋愛関係はそんな安全な場所であるはずだ。だが多くのカップルは、どちらかが相手を「試す」という繰り返されるパターンにはまっていることに気づく。これは些細なことかもしれないが、本質的には不安にさせることが多い。
こうした相手を試す行為は過去の会話に関するクイズ(「先週私が話したことを覚えてる?」)や仮定のシナリオ(「もし……であっても私を愛している?」)、あるいは相手の努力や忠誠心を測るために巧妙に仕向けられた状況となって現れることがある。
最初のうちは、このような抜き打ちテストは遊びのようなもの、あるいは些細なものに見えるかもしれない。それらが心の奥底に残っている不安や見捨てられることへの恐れ、あるいは解決を求めている古い関係や愛着スタイルの傷からきていることに気づくまでは。
だが当然ながらこのような動きは好奇心を監視に、信頼を点数制に、協力を検査に変え、2人の関係から親密さが失われる。
この記事では、恋愛関係がつながりというよりも実験の場のように感じられるようになったときにどう対応するか、5つの戦略を紹介する。
1. 試す行為の背後にある深層心理を理解する
パートナーがあなたを試すとき、発言の内容はほとんど問題にならない。本当の目的は安心感だ。愛着理論の研究によると、不安型の愛着傾向を持つ人は、パートナーが自分に反応してくれるかどうかや気遣いのサインを監視していることが多い。
愛着理論のパイオニア、心理学者で精神科医のジョン・ボウルビィは、幼少期の養育パターンがどのように私たちの愛の「内的作業モデル」を形成するかを説明した。影響を及ぼすのは一貫性だと考える人もいれば、無視や拒絶だと推測する人もいる。
試す行為は一般的に、こうした根底にある恐怖を管理しようとする試みだ。パートナーがあなたを試し、あなたがそのテストに合格すれば、パートナーは安心する。逆に、あなたがテストをクリアしなければ、相手の心の奥底にある恐怖を確認することになる。おそらく、自分は忘れられやすい、価値がない、重要でない存在だという恐れだ。
残念なことに、このサイクルがどちらのパートナーも満足させることはほとんどない。「テストを行う側」は(次のテストは決まって難易度が上がるため)完全に安心することはなく、「テストを受ける側」はますます細かいところまでチェックされていると感じ、憤りを覚える。
この心理的ループを認識することが第1歩だ。自分が試されている言葉を耳にしたときにまずできることは、パートナーが今不安を感じている可能性が高いことを思い出すことだ。そして、誰かが不安を感じているとき、少しでも安心させると大いに効果がある。



