宇宙

2025.09.28 10:00

太陽系の外にある「系外惑星」が6000個に到達、生命の痕跡を残す第二の地球はすでに見つかっている?

NASAの「TESS」によって観測された地球型の系外惑星「TOI-700d」(c)NASA's Goddard Space Flight Center

NASAの「TESS」によって観測された地球型の系外惑星「TOI-700d」(c)NASA's Goddard Space Flight Center

NASA(米航空宇宙局)は9月17日、「太陽系外惑星」の公式登録数が6000個に達したことを発表した。太陽系外惑星とは、太陽系以外の領域にある惑星を意味し、「系外惑星」とも呼ばれる。それらの天体はNASAの「太陽系外惑星科学研究所」(NExScI、カリフォルニア工科大内)によって追跡・監視され、今回の発表では「太陽系外惑星アーカイブ」に登録された太陽系外惑星が6007個に到達したと報告された。

3年前のデータベースに登録されていた系外惑星は5000個。近年その発見率は加速しており、この傾向は今後も続く可能性が高い。また、現時点で発見されているが確認作業や承認を待つ「系外惑星候補」は8000以上にのぼるという。研究者たちはこうした系外惑星が、天の川銀河内に数十億あると予想している。

(c)NASA’s Goddard Space Flight Center
(c)NASA’s Goddard Space Flight Center

最初に発見された系外惑星

ほんの30年前まで、太陽系の外側にある惑星は、ひとつも確認されていなかった。夜空に輝く星々の多くは我々の太陽と同じ恒星であり、その周りにはいくつもの惑星が公転(主星の周りを周回すること)していると古くから予想されていた。しかし、恒星の輝きが強すぎるため、自ら光を発しないそれらの惑星を観測する手段がなく、その存在を確認できずにいた。

しかし1992年、ポーランド出身の天文学者であるアレクサンデル・ヴォルシュチャンが、アレシボ天文台(プエルトリコ、運用停止)の電波望遠鏡を使った観測によって、パルサー「リッチ」(PSR B1257+12)を公転する系外惑星を史上初めて発見した。パルサーとは、パルス状の電磁波を発する天体の総称で、リッチの場合は中性子星とされる。中性子星とは、大きな質量を持つ恒星の寿命がつき、その崩壊(超新星爆発)した後に残った高密度な天体のこと。リッチは直径が28kmしかないにもかかわらず、太陽の1.4倍の質量を持ち、1秒間に160回以上自転しながら強烈なパルスを発している。そのパルスを調査した結果として、リッチを公転する3つの惑星(PSR B1257+12b / 12c / 12d)を発見したのだ。

系外惑星「ペガスス座51番星b」。史上初めて発見された、太陽に似た恒星を公転する太陽系外惑星(c)NASA
系外惑星「ペガスス座51番星b」。史上初めて発見された、太陽に似た恒星を公転する太陽系外惑星(c)NASA
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編集=安井克至

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