同じく2016年には、太陽系からもっとも近い(4.2光年)ことで知られる恒星「プロキシマ・ケンタウリ」のハビタブル・ゾーンにも、系外惑星「プロキシマ・ケンタウリb」が存在することが、ヨーロッパ南天天文台によって確認されている。
NASAの「太陽系外惑星探査プログラム」(ExEP)の責任者、ドーン・ジェリーノ氏は、「系外惑星を観測することによって惑星が形成される条件がわかるとともに、地球がどのくらい一般的な存在なのか、同じような惑星をどこに探せばよいかという情報を得ることができます」と述べ、「宇宙で私たちが孤独な存在なのかどうかを知るには、こうした知識が不可欠」と語る。
これまでにNASAの「太陽系外惑星アーカイブ」に登録された太陽系外惑星のうち、18%(1140天体)はドップラー法、74%(4446天体)はトランジット法によって発見された。また、NASAは2027年5月までに「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」の打ち上げを予定しているが、この機体にはコロナグラフによる「ダイレクト・イメージング」という観測手法が使用される。
コロナグラフとは、恒星からの強烈な光を望遠鏡内で遮断し、系外惑星の微弱な光だけを検出する観測手法。NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡でも、地球から150万km離れた月の向こう側にあるラグランジュ点L2から、ダイレクト・イメージングやトランジット法などによって系外惑星の大気などを観測し続けている。こうした観測手法や機器の発達にともない、より多くの系外惑星が発見されるとともに、近い将来、さらに地球に近い太陽系外惑星が見つかることが期待されている。


