「現代の千利休」が日本経済を救う カルチャープレナーの役割とは | 原研哉インタビュー

原 研哉|グラフィックデザイナー

さらに言うと、日本は植民地化された経験がなく、一度もほかの文化に蹂躙されたことがありません。固有のローカリティを保っているという意味で、日本文化は稀有な観光資源なのです。それを未来資源として生かせば、インバウンド1億人も十分にありえます。

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ところが最初にお話ししたように、日本人自身が日本の文化を見過ごしてしまっている。

熊野古道を歩いていても、日本人より外国人のほうが熊野の歴史をよく勉強している気配がある。外国人が気づいている文化の魅力を、日本人のほうがむしろ見逃しているのです。

そうなると、今度は観光資源を産業化して利益を得るのも外国資本という話になりかねません。外国資本が京都に建てたホテルに行くと多少安心する部分もあるのですけれど、彼らは日本文化に真摯に向きあっているし、もともと世界各地でローカルの価値を産業化してきたノウハウもあります。日本企業が文化を接待の道具として扱っている間に、外国資本が観光産業を押さえたとしてもおかしくない。果たして、僕たちはそれでいいのでしょうか。

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(続きは、9月25日発売の「Forbes JAPAN 2025年11月号」でぜひご覧ください)


はら・けんや◎1958年生まれ。日本デザインセンター代表取締役社長。武蔵野美術大学教授。2002年より無印良品のアートディレクター。外務省「JAPAN HOUSE 」では総合プロデューサーを務めた。2019年から観光分野への新アプローチ「低空飛行」プロジェクトを継続中。

文=村上 敬 写真=若原瑞昌

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